二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマ 銀色の歌姫〜最終楽章〜 ( No.3 )
- 日時: 2011/11/20 08:50
- 名前: ドロップ ◆8WWubVa7iM (ID: LI/icqd3)
第一楽章
「和奏、借りてた本返すぞ〜」
「ん…」
風丸と和奏はクラスで本の受け渡しをしていた。
「結構その本、面白かったよ」
「だろう?私が好きな本は面白い本しかないんだよ。」
和奏は自信満々に答える。
転校したてのクールな和奏の時とは大違いだ。
「他にも面白そうなのがあったら、教えてくれよ。」
「了解した。」
そういうと、すぐさまチャイムが鳴ると
和奏たちは自分の席へと戻った。
「おーい!和奏!風丸!帰るぞー!」
廊下には元気良く叫ぶ、円堂の姿と、
その後ろでたっている豪炎寺と鬼道と秋の姿がある。
「おぅ、ちょっと待ってろ!
じゃあ、行くか」
「…うん。」
「なんか、不思議だよな〜」
円堂はサッカーボールを抱えながら言葉を発した。
「なにがだ?」と、全員は円堂に言葉を返す。
「なんかさ、和奏が来た時はぎくしゃくしてばっかだったろ?
けど、慣れてくると皆フレンドリーになってるっていうか……
変わらないものはないって感じでさ…
……上手く言えないや!」
円堂がそういった時、皆はほほ笑んだ。
「そう、だなぁ……」
全員を、真っ赤な夕日が包み込んでいた。
「そういえばさ……」
和奏がいきなり話しだす。
「私の兄弟いたろ?」
「あぁ、いたなぁ」全員は騒がしい兄弟の事を頭に浮かばせる。
「どっかいったんだよな」
しばらく、沈黙が漂った。
「……は?」
その沈黙を壊したの風丸だった。
「なんだよドッカ行ったって!
なんでそんなに普通にその事喋ってんだよ!
普通だったらあわてて言ってきたりするだろ!!
探したりしないのかよ!」
「いやぁ、探すのがめんどくさくて…」
「自分の兄弟だろうが!」
その光景を見て、皆は大爆笑していた。
「そうだ円堂君、合宿所で一週間ぐらい皆でいるっていうのはどうかな?」
「え?」
「和奏ちゃんは今一人暮らしでしょう?
さみしいだろうし、皆で泊まるの楽しいよ?」
「それもいいな。」と、豪炎寺が賛成の意見を言った。
「まぁ、たまにはいいんじゃないか。」鬼道の賛成らしい。
「じゃあ、明日からそうするか!
各自準備してくるように!ほかの人に俺が伝えておく!」
和奏と風丸をほっといて、勝手に話を進めていた。
「まったく…勝手に決めて…」
「まぁ、いいんじゃないか?
私のためにやってくれるらしいから…」
和奏は幸せそうに言う。
「それも、そうだな。」
こんな幸せは日々が、ずっと続くと思っていた。
皆で、笑っていられると思っていた。
そう、ずっと———ずっと——。