二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマ 銀色の歌姫〜最終楽章〜 ( No.41 )
- 日時: 2011/12/18 18:16
- 名前: ドロップ ◆8WWubVa7iM (ID: jfR2biar)
第五楽章
空いた窓から入ってくる風。
揺れるカーテン。
血まみれの部屋。
もういない、この部屋の住人。
「あっ…あぁぁ、」
うろたえる周りの人たち。
その声は、やけに大きすぎて、俺は聴覚を失いたくなった。
すると、窓の方から聞こえてきた少女の声。
「クリスティーヌは、一体どこへ逝ったのかしら。」
栗毛色の長い髪の少女。
その声は、とても落ち着いていた。
「貴方は、いったい誰なの?」
「そんな事、どうでもいいわ。」
木野の問いに、さらりと返す少女。
「それにしても、憐れなものね。」
いきなり、何かを語りだした。
「せっかく人間を信じようとしていたのに…
結局、貴方達がクリスティーヌを裏切り、ファントムへ変貌させたんだわ」
「…何を言っている?」
「私は、ありのままのことしか言わないのよ?」
いっていることが、わからない。
「まぁ、簡単にいえば貴方達のせいで和奏は狂ってしまった、それだけのことよ。」
「俺たちの…せい、で?」
「えぇ。」
なんでだ。
どうしてだ?
俺はあの時、ただ和奏の方を驚いてみていて…
和奏が急に俺に話しかけてきて…
和奏は、手にナイフを持って
俺を殺そうと……
「え?」
ははっ……
アハハハハッ…?
「うわぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
周りが、俺の方を驚いてみるめる。
「俺のせいか、
俺はたった一人の事も信じてやれなかったような醜いいきものか、
なんであの時、和奏の方へ話しかけれなかったのだろう
俺がすべて悪いんだ、何が和奏が殺そうとした、だよ。
結局俺は、和奏を真実とかいいつつそう彼岸的に思ってるんじゃねぇか。
結局は俺のエゴのせいだ、俺は俺は俺は俺は俺は……」
こんな、俺の姿を見て、一人笑っている少女。
「やっとわかっていただけたかしら?」
あぁ、わかったさ。
「まぁ、いいわ。
今日はそれを言いに来たの。」
そういって、去ろうとする少女を、木野は止めた。
「まって、貴方は…和奏ちゃんのことを、何か知っているの?」
すると、少女はにこやかに答えた。
「雪が静かに降るお城。
そこが、私たちの楽園なのよ。」
気がついたら、少女は居なくなっていた。