二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマ 銀色の歌姫〜最終楽章〜 ( No.75 )
日時: 2012/01/07 19:27
名前: ドロップ ◆8WWubVa7iM (ID: ZBBdYuyf)













————バケモノなんかになりたくなかった。



     じゃあ、なぜなったって?


     気になるのなら聞かせてあげるよ。



     私は、バケモノに“なった”んじゃないんだ。
 


     バケモノに“された”んだよ。








全ては愚かな人間達のエゴのせいで。




















第七楽章









静かに降り注ぐ真っ白な雪。

灰色の雲から降りてきて、その光景はどこか寂しそうに感じた。



「北海道……に、着いたみたいだな。」


キャラバンの中で俺は外をずっと見ていた。


「そうだね、もう北海道についているよ。」


吹雪はにっこりと、笑いながら俺に言った。

「…そう、か。」



ただただ俺は、外で降っている雪を見つめていた。


「…まだ、月川さんのことで悩んでいるの?」

「…………」


黙り込んだ俺を見て、吹雪は理解してくれたみたいだ。


「そういう時は、月川さんに聞いてみればいいんだよ。」

「和奏に…聞く、?」


すると、今まで以上に吹雪は顔を和ませた。


「そうだよ。
 話し合ってみたらきっと、月川さんも分かってくれるよ。」


「そうだと、いいんだがな…。」




キャラバンが止まって、古株さんが声を上げた。




「おぅい、一つ目の注文場所、
 もう廃棄されてる図書館についたぞぉ。」




目の前には、もう明かりなどついていない図書館があった。




「行こうか。」




















ああ、クリスティーヌは何処にいるのですか?