二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマ 銀色の歌姫〜最終楽章〜 ( No.84 )
- 日時: 2012/01/20 17:34
- 名前: ドロップ ◆8WWubVa7iM (ID: UcSW/zmZ)
- 参照: ドロップ復活です!!
「大丈夫、私がお前らを守るからな。」
ファントムはゆっくり告げる。
第九楽章
結局、探しても和奏はいなかった。
そしてついに、最後の一軒になってしまった。
ここでなかったら、この一週間は全て無駄となってしまう。
和奏だって、もう二度と会えないかもしれない。
そう、不安を抱いた俺を吹雪と円堂と豪炎寺はこういった。
「大丈夫だよ、風丸くん。」
「そうだ!見つからなかったら、また俺達も助けるよ!」
「……いつまでも、味方だ。」
ただ、それっきりの言葉だったが、
俺にとってはとても温かく、支えられるような言葉だった。
「ありがとうな。」
—幻想のオペラハウスにて—
オペラハウスには、漂う冷気が集まっていた。
何処か現実味がしない館。
オペラハウスは、なんだか幻想の物のように思えた。
「…ッ、こんなことを思うなんて、俺も狂ったのかな…。」
そうだ、ここではまだ正常ではいないといけない。
「ってか、ここに和奏たちがいるのかなぁ…」
円堂があたりを見ながら言う。
「いなかったらいなかったで、また一から探すさ。
俺はな。」
『あーあ、来ちゃったじゃん。』
『ねぇファントム、どうするのよ?』
『ったく…遊んでやりたいのによー。』
『あぁ、綺麗ね…愛したくなるわ……』
『ねぇファントム、私あの人たちと踊りたいわ。』
『……あの人たちは?迷子なの?』
『あの人たち、仲よさそうだね。』『私達みたいだね。』
『幸せをわざと逃がすのか?』 『もったいないなぁ…』
「待ってろ、終止符を付けてくる。」
ファントムは、風丸たちを一瞥し、
苦虫を噛み潰した様な顔でいった。
パンパンッ。
手と手を合わせた音が、ホール内に広がる。
そして、ファントムは彼らに告げた。
「こんばんは、偽善者のみなさん。」