二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン/GO 時空を越えた出会い ( No.12 )
- 日時: 2011/11/25 21:00
- 名前: 桜花火◇16jxasov7 (ID: /HyWNmZ0)
2 ジクウの超越
「いきなり、現れた!?」
驚きのあまり、円堂は手にしていたサッカーボールを落としてしまった。すぐに、慌てて転がるボールを拾い上げ、もう一度謎の少年たちへ目を移した。
「え、円堂監督!?」
「えっ?カントク……?俺が?」
驚いているのはこちらだけではないようだ。現れた少年たちは、誰もが目を丸くし、円堂たちを凝視している。
「待て、天馬。監督はこんなに小さかったか?」
「だってそうですよ!」
円堂たちには聞こえぬようにして、ウェーブのかかった髪の少年は、先頭に立っていた少年に、小さく耳打ちをした。
「あ、あのぉ…お前たち…誰?」
「えっ、その…あの!」
ジタバタする数十人の少年たち。
怯える人もいれば、何かを相談している人たちもいる。その人たちを全員見渡すと、円堂は内の一人———松風天馬に話しかけた。
「どうなっているんですか!」
「俺が聞きたいんだけど…;」
話しかけても、彼は頭を抱えて慌てている。
円堂もどうすればいいのか分からなく、頬を人差し指で掻いた。そして、鬼道や豪炎寺たちの方を向いて、助けを求めている。
「おかしいですよぉ〜だから言ったじゃないですか!あの機械には触らない方がいいって!」
メガネをかけた少年は、この世の終わりだ、とでもいうかのように、頭をくしゃくしゃにして、しゃがみ込んで嘆いた。
「西園、走るなと言っただろう」
「すみません、先輩、剣城…」
「どういうことだ。いきなりフィールドに現れた」
円堂だけでは頼りないと思ったのか、鬼道が青色のマントを翻し、歩いてきた。
「コーチもいますよ!」
「…鬼道、こいつらさっきから何を言っているんだ?」
「…まずは落ち着いて話が聞きたい」
鬼道の冷静な判断は下された。円堂を一先ず落ち着かせ、今から連想できる状況を読み取る。そして、ゴーグル越しに光る瞳が、天馬と神童を睨みつけた。
「分かりました。俺たちも少し話したいです」
「まずは、どうしてあの場所にいきなり現れたか、だな」
「俺たちもよく分らないんです。部室に変な機械が置かれていまして」
今までの話を、神童は簡潔に説明した。
朝、部室に一番最初についた速水が発見した機械のこと。
信助が走り込み、機械に触れてしまったこと。
その一つ一つは、とても奇妙で不可思議なものだった。
「そうか…気が付いたら、ここにいたのか」
「はい、今の状況から考えてそうなりますね」
「なっ!名前聞いていなかったよな!お前、名前なんて言うんだ?」
この緊迫した空気とは裏腹に、隣に座っていた円堂が目を輝かせて、神童に聞いた。
「神童です。神童拓人といいます」
「神童、って言うんだな!俺は、円堂守!よろしくな」
ニッと笑って円堂は手を差し出した、それを神童は無言で見つめていた。
何かおかしなことでも言ったのか、と円堂は首を傾げるが、神童とよばれる少年は、さらに驚きの言葉を言ったのだ。
「……円堂さん。貴方は俺たち、雷門サッカー部の監督です」
「…へっ?それ、さっきも言ってたよな?それに雷門って…どういうことだ?」
「円堂くんが、雷門サッカー部の監督?」
資料を手に持ち、秋は聞き返した。
その後に、まともや天馬という少年は声を張り上げる。
「秋姉もいる!」
「あれ?天…馬?」
「秋、知り合いか?」
「えっ、えぇ…でも、天馬はまだ小学校にも入っていないわよ…?」
「秋姉だよね!」
天馬を頭の上からつま先まで、何度も何度も見直すが、少年は彼女と同じくらいの身長である、自分の知り合いはまだ小学校にも入っていない。しかし、彼は自分をいつもと同じような呼び方で、声も身長以外の容姿も、さほど変わりはない。
「もしかして…」
ピンク色のおさげ髪の少女というには、声が少年らしいその子は、顎に手を当て呟いた。
「「もしかして?」」
「俺たちは…10年前の世界に飛ばされたんじゃないか?」