二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン/GO  時空を越えた出会い ( No.5 )
日時: 2011/11/20 20:07
名前: 桜花火◇16jxasov7 (ID: /HyWNmZ0)

プロローグ 出会いは偶然?それとも必然?

「そのまま持ち込め!!!」

オレンジ色のバンダナをした少年が大きな声で叫んだ。円堂守——かつて、イナズマジャパンを世界の頂点へと導いた少年、そして今は雷門中、サッカー部のキャプテンを務めている。中学三年生になってから半年が経った。かつて、小六であった宇都宮虎丸も加入し、このサッカー部は進化を続けている。

「豪炎寺!」

ゴーグルをかけ、青いマントを羽織った少年が、ボールを空高く蹴り上げ、チームメイトの名を呼ぶ。

「爆熱スクリュー!!!」
「ゴットキャッチ!!!」

炎を帯びたボールが、魔神の手によって止められたものの、両方とも物凄い迫力だ。

「いいシュートだぜ!」
「止められたけどな」

フッ、と小さな笑顔を零し、逆立った髪の少年—豪炎寺修也は持ち場へと戻った。

「豪炎寺、もう少し角度を上げたらどうだ?パワーが上がるかもしれん」
「あぁ、試してみる」

豪炎寺は司令塔である鬼道有人と片手でパシンッとハイタッチを交わした。

「もう一回行くぞッ!次は吹雪だ!」
「うん!」

真っ白な肌に、外側にはねた銀色の髪をした少年は、にっこりと微笑んだ。
彼は北海道にある、白恋中にいるのだが、今回は休みということもあって、沖縄からも、京都からも、全国から選手たちが集まって、練習試合を行っていたのだ。

「今日も守くん達、元気一杯ですね」
「元気が取り柄だからね」

運んできた大量の選手用ドリンクを地面に置き、額流れる汗を拭き取りながら、マネージャーの木野秋は言った。
もう一人、ラベンダー色のストレートの少女はクスッと小さく笑う。

「先輩方!運んでくれて、ありがとうございます!」

中学二年生になった音無春奈は、マネージャーの中でも最年少。しかし、彼女の情報収集力は侮れない。

「本当にサッカー馬鹿には敵わないわ」
「でも、よく考えたら、キャプテン以外に、豪炎寺先輩もお兄ちゃんも同じですよね」
「いや、雷門の言う通り、俺たちでも円堂のサッカー馬鹿には敵わない」
「あら、聞いていたの?」

練習が一段落したのか、汗だくの少年たちはドリンクやタオルをもらうために集まってきた。

「それ、どういう意味だよ?」
「そのままの意味だ、サッカー馬鹿」
「馬鹿馬鹿言うなッ!」

鬼道がいじわるそうに笑ったのも、口調も少しだけ気に食わなく、ピクッと頭に血が上った。
ここでは、笑ったり、泣いたり、時には喧嘩もしたりするけれど、このチームは本当に楽しくて仕方がない。

「よし、一段落したら、練習再開だ!」
「「おう!」」

練習を再開させようと、気合を入れ直して、円堂たちはグランドへ戻ろうとした。
そのときの出来事が、彼らの運命を大きく変えたのだ———





「ゴットキャッチ!!」

炎を纏ったシュートは、またも止められてしまった。しかしながら、先程よりかなり威力が上がっている。その証拠に、円堂を支える二本の脚も、元の場所からかなり移動している。

「もう一回!」

円堂がボールを投げようとした時だった。
突然、フィールドの中心に目を開けることすら困難なくらいの強い光が瞬いた。それに伴い、吹き飛ばされてしまうくらいの暴風が辺り一面を取り囲む。

「な、なんだ!?」

状況を読めないまま、暴風と光は数秒で収まった。だが、フィールドには見知らぬ少年たちが、佇んでいた。
キョロキョロと不思議そうにあたりを見渡し、やがて、円堂の方に顔を向けた一人の少年がいた。
その少年は微風を連想させる栗色の髪形に、青い瞳。それに雷の小さなマークがついたユニフォームを着ていた。

「「「「「ひ、人!?」」」」」
「えっ……円堂監督!?」







10年の時を越え、めぐり合った少年たち。





—————彼らの出会いは偶然?それとも必然?—————