二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: アスキーアート物語 ( No.1 )
- 日時: 2011/11/20 23:10
- 名前: 無人 (ID: 3Mpht8EV)
〜〜 アスキーアート物語 〜〜
平和と破滅。
俺は常にそこの狭間を彷徨っていた。
人が多く活発的な場所もあればそこが大都市だった痕跡すらないところもある。
常に一人だった。
家族もいなければ友もいない。
仕える君主もいなければ親しい町の人もいない。
俺は飢えてたかも知れない……
仲間という存在を求めて……
砂漠……
彼は仲間を求めてただ彷徨っていた。
砂の上には彼と壊れた武器が多々あり戦闘の風景を思わせる。
今この世の中、人はさまざまな思いで戦争を行っていた。
野望
仁義
世の中はそんな世界に分かれていた。
国は別れ
同じ意志を持つ同志たちが互いに協力し合い。
戦争を繰り返していた。
彼もひそかに意志を持っていた。
仕える主を求め、ただその人のために尽くし、その人たちがが作る世を見る。
それが彼の理想でありそれを求め砂漠を彷徨っていた。
照りつける砂漠は徐々に彼の体力を奪っていく。
彼はおもむろにふどころにある水筒を取り出した。
中をのぞくが水はない、底に穴が開いていたのだ。
「……くそっ!」
使い物にならない水筒をたたきつけるが音は砂に吸収される。
それがさらに彼を苛立たせた。
水筒を蹴り飛ばす。
だがその行動は虚しいだけだと彼自身が一番知っていた。
だがその気を紛らわすかのように彼は駆けた。
風は彼の頬を軽く打ちながら布の服をたなびかせる。
それが妙に心地よかった。
いったいどれくらい走ったのだろう。
気づけば太陽は西に大きく傾き始めている。
のどの渇きも体の疲れも急激に湧いてきた。
彼は砂山の頂上に立っていた。
村、町、城なんでもいいから見えてくれ。
彼はそんな思いで周りを見渡した。
そのとき彼は自分の目を疑った。
彼の視線先には砂漠が終わり広大な草原が続いていた。
そして
草原の上に国が見えた、それも特大の。
「蜃気楼じゃ……無いな!」
彼はそれを確認すると草原へ向けて砂山から駆け降りた。
君主に期待を弾ませながら。