二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: アスキーアート物語(AA) ( No.2 )
- 日時: 2011/11/22 00:15
- 名前: 無人 (ID: 3Mpht8EV)
城門の前に二人のギコ猫種がいた。
おそらく門番だろう。
彼はそう察しながら城門へ近づいた。
「おっと、ここに入るにはいくつかの質問に答えてくれ。」
番兵が彼に気づき歩み寄ってきた。
「……名前と種族を。」
番兵が右手にペンを持ち左手に紙を持ちながら訊ねた。
「………ギコ猫種のギジェルだ。」
「おけぃ……なるほどな。」
番兵が紙に何かを書いた。
おそらく自分の名前だろうと青の猫、ギジェルは確信した。
「ハイ次! どこから来た?」
「向こうの砂漠を永遠と歩いてきた。」
「……待て貴様。少し城まで来てもらおう、嫌とは言わせないぞ。」
先ほどの穏やかな番兵の表情が豹変し剣を構え始めた。
「……あぁ分かった。」
ギジェルは顔色一つも変えずに同行した。
玉座に来た。
正直何が起こるかわからない状態。
ギジェルの頭の中にはいまだに何故という疑問が残っていた。
王が目の前で話しているのにも関わらず彼はその一つの疑問を追及し続けた。
「……悪いがわが国内ではそれが原因で砂漠地方の人は受け入れられないのだよ。」
王の言葉が耳に入った。
ハズレか。
彼は心の中でそう呟いた。
「分かった……だがこちらにも条件がある。 ……水と食料をくれないか、このまま追い出されたら飢え死にしてしまう。」
顔を上げギジェルが懇願した。
王は相変わらず椅子に座りながら彼を見下ろす。
それが非常に不愉快だったが何とか感情を押し殺した。
「……悪いがそれは無理だ、まだ貴公が奴の差し金であることは分からないからね。」
「分かった、だが待ってくれ……「奴」とは誰のことだ?」
「まあ貴公に教えようが、教えないようが変わりないが「アッピシャー」だ。彼は砂漠地方でわれらの国とにらみ合っている状態なのだ。」
「すまない……恩に着ます」
そう言葉を放ち彼は布の服や装備を身にまとい城を去った。
とりあえず疑問はある程度晴れたのだ。
城を出て3日が経った。
彼は広大な草原を歩いていた。
彼は食料と水は城を出てから何一つ得られず餓死の危機が迫っていた。
だが彼の足は城から出て3日と15時間42分。
空腹の限界を向かえ倒れた。
それでも彼は手を使って這い
這い始めてから24分。
彼は這うことをやめた。
「……まずいな……」
彼はそう呟いた途端、意識が朦朧とした。
空腹のあまりにとうとう極限の限界を超えてしまったのである。
緑の草の上にギジェルは仰向けに倒れていた。
……死ぬのか。
彼の意識が飛びかけようとした瞬間、地平の彼方から土煙が上がっているのが見えた。
その煙を見た瞬間、彼の視界は闇に包まれた。