二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: アスキーアート物語(AA)感想などを希望 ( No.5 )
日時: 2011/11/24 21:33
名前: 無人 (ID: 3Mpht8EV)

ギジェルが仕官して初の夜が来た。



彼は一応この国で最初に気がついた部屋に住むことになった。

家具などの面では十分問題は無かった。

ただ食料はやはり制限があり、最低限のお金は支給され何とかぎりぎりのラインであるため、金が尽きる前に稼がなければやはり万足な食事が十分できない。

ギジェルは今の内は極力節約を心がけており窓から差し込んでくる月の光を頼りに換算などを行っていた。


彼が眠たさを覚えたとき、窓から外を眺めた。
町の様子は明かりがついている家が多く、広場では兵士たちが住人とお祭り気分で酒を飲み交わしていた。











これが主君の治める町か。








そんなことを思いながらベッドに寝転がり空を眺めた。

空には黒一色の空に光の点がいくつか確認できた。

それは彼を静かに歓迎しているようで強い輝きを放っていた。













俺の星はどれだろう。














そんなことを考えながら彼は眠りについた。

















……起…ろ…………

頭の中に何かが響いてきた。

…い起きろ…ギ……ル

再び響いてきた、さっきよりもはっきりと聞こえてくる。

「起きろって言っているだろうが!」



「は、はい!」

言われるがままにギジェルは跳ね起きた。

首だけを動かすと満面の笑みで頷きながらギコシン王国の王、ギルが見下ろしていた。


「意外と素直だな関心関心。」

彼は空を見た。

まだ暗い。

「……今何時ですか?」

なんとなくの嫌な予感を抱えながら彼は尋ねた。



「朝の5時だ!」







……勘弁してくれ。


彼は心の中で呟いた。


「まっ、朝の会議を始めるから6時には会議室に集合な! 以上!」

それだけ言うと彼は廊下に出て行った。





特に何も無く6時を迎えようとした。





ギジェルは会議室に向かった。

「失礼します。」

一応、礼儀正しく扉を叩き部屋に入った。



中にはギルはもちろんフサギコ種の彼を含め王の間の3人、他に2人椅子に座っていた。

「……ギジェルは俺の後ろについてくれ。」

「分かりました。」

突然の命令に同様はせず冷静に対処した。




時計の針が6時を示した。



その瞬間会議が始まるかと思いきや




「ヨッシャ〜! 2人ジャスト!」

座っていたフサギコ種の彼が歓声を上げた。

「……ちっ、持ってけ!」

ふと別の人物がふどころから千円札を取り出し彼に渡した。

「へへへっ……何とか負けを取り返したぜ。」




「相変わらずだなフサリオ。」

ギルが頬杖をつきながら楽しそうにそのやり取りを眺めていた。



「まぁな。さて次の賭けは……」

フサリオと呼ばれた彼が呟いたその時、荒々しく扉を開けて慌てた2人が会議室に入ってきた。



「……何でもっと遅く来ねえんだ……」

今度はフサリオが頭を抱え込み先ほどの賭けに負けた人物がガッツポーズをした。


フサリオが渋々千円札を差し出した所で



「それじゃあ会議を始めるか!」

ギルの威勢のいい声が会議室内に響いた。


「では現状を報告します。軍資金300万、武器の数全体的に問題なし、兵士数4000人弱、兵糧2年分は余裕あり、住人の不満「船が少なく魚の収穫量が少ない為船を増やしてほしい。」との事です。」

王の間にいた護衛隊らしき女性が説明をした。



「と言ってもよう……うちは木材が少なく船は中々作れねえぜ。」

数字のついた鉛筆を転がしながらギルが呟く。

「なら、軍資金を使って別の国と交渉するか?」

フサリオがぱっと顔を上げギルにたずねた。

「……金銭的にきわどいが頼んでみるか。」



「ではどこに頼みます?」

先ほどの女性が尋ねる。

「東北東の方角にあるネルトリア王国がいいだろう、あそこは植林地帯の中にある国だからな。」

「分かりました。ではいつ頼みます?」

「今すぐだ。できるだけ急げ、他の国にある事を気づかれないうちにな。」




ギルが使者を決め発たせようとしたそのときだった。

城門から伝令が飛んできた。


「伝令、ネルトリア王国がフンル王国から火計を受け壊滅的な被害をこうむっている模様!」

「遅かったか……」

ギルが舌打ちをして再び何かを考え込んだ。



何か閃いたように顔を上げた。

「よし使者はネルトリアの王に「助けてやる代わりに木材の寄付を頼む!」と伝えておけ。」

使者が頷き外へ走っていった。

「さてと……戦だな。全員訓練はサボってないよな?」



ニヤリとほくそ笑むと全員会議室から姿を消した。





これがギルという男か。





後をつきながらギジェルはそんなことを考えこんだ。