二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: アスキーアート物語(AA)感想などを希望 ( No.7 )
日時: 2011/11/30 15:01
名前: 無人 (ID: 3Mpht8EV)

俺は王室で地図を見ていた。

俺らの国の近くを細かく書かれている地図もあれば、俺らの国が領土が見えないほどの大きい地図もある。

そろそろ動かないとな。

ボソッとよく呟くのが一人でいることの癖だ。

地図には×や○だの色々な記号がついてあり、先ほどまで自分がどこを見ていたのか全く分からなくなる。

俺は国の近くの山に目印の記号を書き加え、手を止めた。




疲れる。




一国を担うことがどれだけプレッシャーか、親父が悩んでたのも今となっては頷ける。

こういうときには上を向くのが一番だ。

俺はいつものように王室に飾られているシャンデリアを眺めながら一息ついた、そうするとなんとなく気力が満ちてくるのだ。

「……よしっ!」

首を回しながら俺は立ち上がった。

そろそろ夕方の会議か。

そんなことを思いながら時計を見ると、会議まで20分を切っていた。

俺は大抵身につけている赤のバンダナをはずし始めた。

よく服装が王とは思えない、と昔言われていたが正直どうでもよかった。

ただ、王の服はひどく暑苦しく、冬でも汗をかくほどだった。

だから城内で人がいるところはいつも着ているが、外や個室では大抵この格好だった。

そう振り返りながら俺は服を着ていった。



いくか。



また呟き廊下に出た。




















「んじゃ、会議を始めっぞ。ツウィール、読み上げてくれ。」

四角のテーブルを囲みながらギルが会議を始めた。

「はい、では状況報告を行います。軍事力、内政、食料、治安ともに問題無しです。」

ツウィールと呼ばれた人物が報告を行った。

「よし、ならそろそろ動くか! ……と言いたい所だが、前回の徴兵で兵が6000人に増えたが多いとは言えない。そこでだ!」

ふとギルがふどころから地図を机に叩き付けた。

「俺らの国の近くに最近大規模な山賊が出現した噂は知っているよな?」

「えぇ、5000人と私たちにとっては大規模と言えますね。」

ツウィールがなんとなく予想できている口調で返した。



「どうにかして俺らの兵に加えよう!」

「どうにかしてって……案は無いのかよ。」



フサリオが口を挟んだ。



「その為の会議だろフサリオ。」

穏やかな表情のままギルが反論した。

「……だな、じゃあ俺からの案だ、攻めよう!」

















馬鹿だコイツ。















会議室にいるほとんどの人物が心の中で呟いた。


「おっ、お前も俺と同じ考えか! 流石同じ軍に所属してることはあるよな!」

ギジェルも得意げに話した。

「お〜同志よ!」

















馬鹿が増えた。
















ギルはあまりの単純さに頭を抱えて悩みこんでいた。

「……大丈夫ですか、ギルさん?」

ツウィールが耳元でささやいた。

ギルはただ頷いた。

一方、お馬鹿コンビはがっちりと握手を交わしていた。

「じゃあ、決行だな!」

「そんな訳ありませんよ、まだ国王が決断を下してません。」

「えっ、決まりじゃないの?」


再びギルが頷いた。

「とにかく二人は黙っててください。後は私とZ武さんと話をつけておきますので。」

さらりと強めの口調を吐いた。

「分かった、じゃあ会議終了!」

「だからそれは国王の決断だって決まってるでしょうが。」

さらに口調が強くなった。

「お……おぅ。」

流石のフサリオも勢いに押され黙り込んだ。

「いやもういいぞ、後は明日に備えて十分休め。」

ギルが突っ伏しながら答えた。

「分かった。じゃあな!」

次々と若い将が部屋を出て行き残りはギル、ツウィール、Z武、となった。

















「あ〜疲れた!」

ベッドに座りながらフサリオが話しかけてきた。

ギジェルも疲れが溜まっていて微動だにせずもう眠ったのかと思わせるほどだった。

「あぁ、俺らの案採用されるかな?」

「さあな、そこまで自信は無いな、なんせZ武さんの案がよく採用されるからな。フンル軍との戦いもあの人の策だからな。」

Z武か。

ギジェルはそんな事を考えていた。

それにツウィールも考えていた。

そう考えているうちに眠気が襲った。





「まっ、明日を待とうぜ……って眠っていやがるコイツ。まぁいいか、しゃあな!」

眠っているギジェルにフサリオは声をかけてその場を去った。