二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: アスキーアート物語 なんかとコラボ考え中 ( No.8 )
日時: 2011/12/04 09:50
名前: 無人 (ID: 3Mpht8EV)

再び彼らは机を囲んでいた。

ギルは全員が席に着いたのを確認すると会議を始めた。

「……よし、始めるぞ、前夜俺とツウィール、Z武さんで山賊の攻略について話し合ったんだが、しばらく偵察部隊を出すことにした。」

やっぱりZ武さんか。


フサリオは目を閉じながら頭の中で考えていた。



「そこでいく人物を決めるが……フサリオ、ギジェル。ツウィールと共に偵察に向かえ。お前らの迅速な動きを見込んで気づかれないように行動しろ。」

「まってくれ!」

急にフサリオが立ち上がった。

「……俺だけで行かせてくれないか。」



全員の視線がフサリオに集まった。

ギルはフサリオを真っ直ぐ見つめ無言のままため息をついた。

「……分かってるな、これは先制できるかを賭けた偵察だ。お前は確かに動きとしては申し分ない、……だが正直言う。今回は正直ツウィールだけでも十分だ。」

「……!」

フサリオの表情が固まった。

確実にショックを隠せていない。

「……正直お前らはまだ未熟だ、入隊して1年も経っていないひよっこだ、だからこそツウィールと共に行動し、戦とは何が大切か、それを学んで来い。正直、お前ら単純だからな! 俺も昔はそうだった。」

フサリオの表情が和らいだ。

自分が邪魔だと思われていた理由が悪い意味ではないことに安心したのだろう。

とその時だった。

「……待てや!」

ギジェルが叫んだ。

その途端会議室は静まり少し気まずい空気が流れた。

ギルは表情はいつも通りである。

「…………この戦が終わるころには、あんたを驚かすほど変わってやらぁ!」



ギルを指差しギジェルの強い意志の表情には少し微笑が混じっていた。



「……やれるものならな、変わって見せてみろ。」


ギルも微笑を浮かべていた。











‐‐‐こうしてギジェル、フサリオの己を変える前哨戦が幕を開けた。


































PM 11:20

ギジェル、フサリオ、ツウィールを含んだ偵察隊20人はギコシン王国から少し東に離れた山のふもとに潜んでいた。

「分かってると思いますが、今回は偵察という形で潜入しています。敵兵を死なせたり、見つからないようにしてください。」

「あいよ!!」

「静かに。では行きます。」

それだけ言うと偵察隊は山の中へと入っていった。



暗い。



ただそれだけの一言に尽きた。



そんな中をヤモリのように20人の偵察隊は忍び歩いていた。

会話などは一切無くただ手を使い壁を見つけながら慎重に入り組んだ道を進んでいた。

と不意にツウィールが手を使ってフサリオたちを制した。

何事かと思い覗いた先には、松明を持った山賊が2、3人いた。



「まずいですね……倒していくのは後が危ないですね。」

「だからと言ってこのまま引き下がったら偵察の意味が無いだろ?」




ツウィールとギジェル達が悩んでいる中フサリオはニヤついていた。



「なんなんだよフサリオ、なんかいい案でもあるのか?」


「あぁ、昔あるゲームで見たとっておきの方法だ。」

それに賭けるしかない。

ここにいる全員がそれは思っていた。

















「……なんだか嫌な予感と言うかあのパターンの気がしますね。」


ツウィールだけは不安を隠せていなかった。