二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:   土方十四郎の姉で御座います。【銀魂】 オリキャラ募集! ( No.125 )
日時: 2012/01/15 09:50
名前: 如月 ◆eZsQmZilro (ID: w0.JbTZT)

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   紅は紅より出て血よりも紅し【紅篇】始動
      土方十四郎の姉で御座います。
    第六訓「願いなど届くわけもなく。」












「そうだ、こんなところで立ち話もなんだし。万事屋に来ませんか」
「そうネ!新八のくせにたまにはいい案だすじゃねーかヨ」
「いやどういう意味ィイイィ!」




神楽の言葉にツッコむ新八を朔は微笑ましそうに見つめた。
銀時はそんな朔をちらりと見てから、口を開く。




「お前、今までどうしてたんだ?」
「戦争が終わった後家に帰っただけだけれど。」
「お前何も言わずに行くから皆心配してたんだぞコノヤロー」
「ふふ、そうなの?ごめんなさい。」




朔は微笑を浮かべながらやんわりと言葉を返す。
その目はどこか立ち入って欲しくなさそうな目をしていて。
銀時はこれ以上追及するのはやめる。




「なあ、どーせならコイツ等も喜ぶし万事屋によっていかねーか?」
「そうヨ!酢昆布あるネ!」
「嬉しいのだけれど……。私買出しに来てるから。」




朔は「ごめんなさい」と断って踵を返す。
そのまま背を向け、歩き出した朔を見て銀時は思った。
——変わったな

攘夷時代の頃は本当に鬼のような雰囲気を纏っていたのに、随分変わった。
凶暴なのは変わっていないが、雰囲気も口調もすべて変わった。


そんなことを考えながら銀時も背を向けて歩き出す。
——まあ、いいか。
そう思って何となく横を見た。




「!」



そこには、フードを被った人影。
背丈と体型からして女のようだ。
フードからは灰色の髪と金色の目が確認できる。

まさか、と思う。
銀時の頭の中に残る思い出の中に、この女はいた。

「金色の双狼(きんいろのそうろう)」
嘗て攘夷時代に名を轟かせた双子のうちの一人。
——睦月凛(むつきりん)




「まさか…!」
「?どうしたアルか?トイレでも行きたいのか?」
「銀さん?」




凛と思われる女はにやりとひとつ笑って朔の消えた方向へと走る。
銀時はすぐに女を追い掛けんと走り出す。
後ろで神楽たちの驚いたような声が聞こえるがそんなことはどうでもいい。




「さ、朔!」




向かった先には人だかりができていて。
人ごみを掻き分けて人だかりの中へと向かう。
中心へついて、銀時は己を疑った。




「……さ、く?」




血だまりが、銀時の目を支配する。
鼻につく匂いが、銀時を襲う。


何故、朔は倒れている?
何故、胸を紅く染めて血だまりの中に、倒れている?


膝からがくんと崩れ落ちる。
すぐ横の家の屋根では凛が銃を握り締めて妖艶に笑っていた……。





——
ようやく朔の過去篇【紅篇】始動です。
ちょっと展開はやいかなあ?




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