二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 土方十四郎の姉で御座います。【銀魂】 オリキャラ募集! ( No.182 )
- 日時: 2012/02/15 19:13
- 名前: 如月 ◆eZsQmZilro (ID: w0.JbTZT)
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すべてがはじまる。
はぐるまは、ぐるぐるまわってく。
もうあのひとはいないのだ。
土方十四郎の姉で御座います【紅篇】
第十訓「歯車廻りし全てを繰り返し」
全ての始まりは、ここだった。
あの日から7年。
朔は17歳になり、十四郎はある道場へ通うようになった。近藤と沖田という仲間も出来、ミツバとも会った。
少しずつではあるが、確実に何かが変わっていた。
ある日、為五郎は十四郎を庇い、目を失った。それに責任を感じ、朔たちは家を出た。
そのせいもあってか朔も十四郎も卑屈で捻くれた人間になりかけていたが近藤たちに出会い、また前を見て歩くようになった。
平和だった。ずっとこの日常が続けばよいのに。そう思っていた。
「戦争に参加してくれませんか。」
「…………え?」
みーんみーん。
外では日が照り蝉が煩く鳴いている。
べたべたと張り付く髪を横に流しながら目の前で正座する幕府関係者の人に視線を合わせた。
「貴方は武州一の剣豪と聞いております、ですから天人と戦って欲しいのです。」
「——私は女ですし、護るものもあります。お受けできません」
「そうですか、残念だ。それでは此方も最後の手段を使おうかね」
目の前の男は下品な笑みを浮かべながら、朔の頬をするりと撫でた。
「秋、天人は此処——武州を攻めてきます。貴方が戦争に参加してくれるならば私たちは此処を全力でお守りします。」
「!……卑怯なマネをしやがって……!」
「おお恐い。それが貴方の本性ですか?しかし、引くわけにもいかないのです。私は貴方が私たちに協力してくれるならばそれなりのお礼をしようといっているのです。」
——いいのですか?貴方の弟さんが亡くなられても
ずるい男だ。その話題を出せば朔は断れないというのをわかっている。
朔は約束したのだ——どんなことがあれど十四郎を護ると。
「仕方がありませんね……。お受け、いたしましょう」
ああ、空が青い。
憎たらしいほどに、真っ青だ。
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