二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 夜空のしたで ( No.7 )
- 日時: 2011/12/05 20:18
- 名前: るい (ID: vlinVEaO)
つづき書きます!
第四話 花びん
「ただいま〜。」
玄関のほうで音がして、食堂にいたみんなはいっせいに立ちあがりました。
ガチャリと食堂のドアが開けられると、そこには、円堂と秋、風丸のすがたがありました。
「円堂!」
「秋せんぱい、せんぱいがいたっていうのに、どうしてまよっちゃったんですか?」
「ごめんなさい! その、円堂くんに地図をわたしちゃって、しかも円堂くんは、地図をさかさまに見ちゃってたみたいで……わたしが悪いの、ごめん!」
秋はみんなのまえで、パンッと手をあわせてあやまりました。
しかし、とうの秋もまよわせてしまった円堂は、なんのことやらと頭の中は、「?」マークでいっぱいです。
「あ、そうそう、こんなものをひろったの。」
秋は円堂にゆっくり歩みよると、あのペンダントを、円堂から受けとりました。
「それは?」
「なぜだかわからないけれど、サッカーボールでわたしたちを攻撃しようとした人がいてね、その子が落として行っちゃったの。ただ、高そうだったし、ドロボウとかにぬすまれたらたいへんだからって、わたしたちがもってきたの。」
「でも、そうしたらぎゃくに、その持ち主もわからなくならないか?」
風丸の一声に、みんなハッとしてだまりこみました。
長い間の沈黙をやぶったのは、円堂でした。
「ああ、そっか。じゃあ、交番に届ければよかったんだな。」
いまさらな意見でした。だいたい、交番に日本語で「落としものでーすっ!」なんていったって、だれもわかりはしないでしょう。
「とりあえず、しばらくもっとくか。」
円堂がいった、そのとき。
ガシャーンッ! ジャラジャラジャラ——!
「わあっ。」
玄関のほうから、ガラスのわれる音がしました。玄関のくつ箱の上にある花びんがわれたのでしょうか。
「行ってみましょう!」
「ああ!」