二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 夜空のしたで ( No.8 )
日時: 2011/12/07 17:15
名前: るい (ID: vlinVEaO)

   第五話 銀の髪の少年


 玄関からすさまじい音がして、円堂と秋は玄関に走っていました。廊下でバタバタとうるさい音をたてているのに、玄関のほうでは、まだいっこうにジャラジャラ、パリーンッと、ガラスがわれたり、あたったりしている音がします。そして、ときおり、「うわあっ。」などと、少し子どもっぽい声の悲鳴もきこえました。
 そっと玄関ちかくのかどからのぞくと、案の定、玄関にあった花びんは、みごとにバラバラにわれていました。そのガラスはへん相手に、背の低い銀の髪の子どもが格闘しています。しかし、いっこうにかたづきません。
「あれ、処理するのって、オレたちなんだよな……。」
 円堂はそういってうなだれました。
「円堂くん、まさか、そうじがイヤとか、子どもみたいなこと、いうんじゃないわよね?」
「い、いわねぇよ、そんなこと。」
 円堂は早口にいいました。そのようすを見て、秋がクスクスと笑いました。
「もう、円堂くんったら。ジョウダンだって。にしても、ノックもなにもきこえなかったわよね。不法侵入っていうのかしら。」
「さあ? でも、ものをわってるから、器物破損だろ?」
「え、円堂くん……とにかく、人の家……いいえ、人の借りてる合宿所に許可もなく入るのはいけないわ。お説教しなきゃ! ちょっと、そこのあなた!」
 秋はズカズカと子どもに歩みよっていきました。
 子どもはビクッと肩をふるわせて、こちらをふりかえりました。
 きれいな黄色いひとみ、銀の髪、きゅっとむすばれたくちびる。どうやら男の子のようです。顔立ちがどう考えても、女の子ではありませんでした。しかも、どこか日本人風です。
「ねえ、あなた、かってにここに入ったでしょ。ダメだよ、そういうの。だって、そういうのは、日本では法律として……。」
 秋ははっとしました。だいたい、ここはフランス。フランス人の男の子に、日本語のお説教など、わけのわからないことばをきいているようにしか思わないでしょう。花びんはじつは、少し高価なものだときいていたので、あまりの怒りに、それをすっかりわすれていました。
「え、えっと、こういうの、フランス語でなんていうのかな……。えっと……?」
「なにいってんの、ボク、日本語話せるし、わかるんだけど?」
「えっ?」
 秋はきょとんとした。円堂もそれにきょとん。でも、さっきもいったように、どこか顔が日本人に似ています。
(あ、外国人のはなにくらべて、日本人のはなの方が低いし……この子のはなも低いから、ここね、日本人の子みたいに見えたのは。)
「……あっ、そっか。要するに、出て行けってことだね。しつれいしましたー。」
 男の子はそういって立ちさろうとしました。しかし、
「待ちなさい!」
と、秋は男の子の灰色のうすいマントのすそをがっちりとつかむと、食堂に向かいました。
「ちょ、なにするんだよ!;;」
「あたしより、音無さんの方が、きちんとお説教してくれるわ。さ、行きましょう!」
「は、はなせぇ〜っ!」
 男の子がジタバタと抵抗するのもむなしく、円堂、秋、男の子をいれた食堂のドアは、バタンととじてしまいました。



ムチャクチャだな、おーい……;;
桜花火、いちおう更新しておいたけど……また見に行くからね。また、だれでもいいから来て〜(笑)