プロローグ)雛鳥ノ夢雛鳥は見る。青い空。白い雲。優雅に舞う親鳥達。雛鳥は知っている。楽しそうに舞う鳥達。その中に、自分の兄弟がいることを。巣に残っているのは、自分だけだということを。雛鳥は考える。どうして自分はあの中に混ざれないの?自分には何が足りないの?自分は‥‥‥皆に見捨てられたの?雛鳥は翼を広げる。そんなことはないはずだ。自分だって鳥だ。自分に足りないものなんてない。自分に不安なんてない。そして、雛鳥は‥‥‥落ちた。