二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 銀魂 ( No.7 )
- 日時: 2011/12/08 21:47
- 名前: 麻香 (ID: asn158NG)
03)押すなと書いたボタンは押すべし
清々しいほどの青い空。白い鳥が数羽飛んでいる。
あたしは山の一角の、草原に寝転んでいた。気持ちいい。
んで、ここ‥‥‥どこ?
いやいやいや。あたしは自分のべッドで寝てたよね。なんでだ。
頭の中で回想シーンを浮かべ、一人で慌てかけ、ふと止めた。
そうだ。これは夢だ。そうに違いない。そうであってくれ。
無理に納得し、辺りを見回した。
この山を囲むように、大きな街があった。とりあえずそこに行ってみよう。そのうち夢は終わる。
そう思って歩きかけ、コケた。
「痛っ‥‥」
痛い。これは夢じゃない。
いや、夢でないと困る。最近の夢は近代化してるんだ。痛みもよりリアルに再現されてんだ。
混乱してくるとイライラする。誰だよこんなシチュエーション用意したの。
あたしは大きく息を吸った。
「神様のばっかやろぉ〜〜〜〜〜っ!!!」
なんでそんなにあたしが嫌いなんだろう。全ての元凶は神様だ。とりあえず。上司に怒られたか何だか知らないが、あたしに八つ当たりするのは止めてくれ。
☆★☆
街へ着いた時、唖然とした。
街自体は、あたしの街とそれほど変わらない。高層ビルやネオンを放つ店。
だがそこを歩く人々は、全員が着物姿だったのである。ミスマッチにも程がある。ブレザーの制服のあたしの方が逆に珍しい。
まさかこれが噂に聞く「たいむすりっぷ」というやつだろうか。あたしはドラえもんにでも拉致られたのだろうか。
川沿いを歩いていると、釣りをする二人の人間が目に入った。
訂正。一人の人と、一匹の変なマヌケ面の生き物。
人の方は髪が長いが男のようで、生き物はアヒルとペンギンを合体させたような大きなやつだ。
「はははっ!エリー、今日はカジキマグロでも釣って帰ろうか」
男が軽い口調で生き物に話しかけると、生き物は『そんなに釣りたきゃアマゾン川にでも行ってこい』とカンペを出す。
息のとれた連係プレーで、ほのぼのとした風景に見えなくもないのだが、あたしはたまたま二人を見たことがあった。
いや、そんなはずない。でもあれはどっからどうみても‥‥‥
いやいや、世の中コスプレが流行ってるもんね。男の方はともかく、ペンギンもどきの方は簡単にコスプレ可能だもんね。
あのペンギンもどきの中には、きっとオタク中年男性が入ってるんだよ。うん。
再び無理に納得した。