二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼   ———刹那の契り ※イラスト描きます ( No.113 )
日時: 2012/01/08 14:05
名前: 亜鶴 (ID: JFBEfYhr)

第六話    思い浮かべる



幸成との話は終わり、琴音は自分の部屋の前の縁側に座っていた。ヒューヒューと風が吹いた。とても寒かった。そんなことを気にせず、考えていた。


琴音は幸成から譲り受けた刀・・・夢花刀を手に持って、見つめていた。

「人を護る刀か…」

((本当はこんなの持ちたくない。私は人を傷つけたくない…傷つけず…人を護ることができるのかな?))

「お姉ちゃん!!」と高い声が外から聞こえた。顔を持ち上げ、目の前を見ると・・妹がいた。琴音の顔は緩み、微笑んだ。

「お姉ちゃん!!その剣さわらして〜」と言いながら、地面に降り積もった雪たちを踏みつけ、こちらに駆けてきた。幼い子は好奇心旺盛だなと思って、妹を微笑んで、見つめる。

「これは子供が触るものじゃないの。危険だから駄目だよ。」優しく言いかける。すると「え〜ケチだな〜」とぶつぶつ言い始める。

((真琴を見ていると…沖田さんを見ているようだな…なんか気のせいかな?口調が似ているような…))沖田のことを思いながら、クスクス笑った。それ見ていた妹の真琴が不思議に思っていった。

「お姉ちゃん、何一人で笑ってるの!?不気味だなっ。」とケラケラ笑って、言ってきた。

((うわ…似てる!?))またまたクスクス笑ってしまった。それと…沖田の隣にいた雪村千鶴の顔が浮かぶ。


((…千鶴ちゃんに会いたいな。あの子に会うと…懐かしい気持ちになれるんだよね。なんかわからないけど…そういう気持ちになれる。))そっと目を閉じて、思い出せない幼い頃の記憶をめぐった。切ない表情をし、ため息をついた。


思い出せないのではない・・・記憶がないのだ。彼女は記憶喪失だから。 

「さて支度をしなきゃっ・・・」 
          



              続く




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