二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼   ———刹那の契り ※イラスト描きます ( No.17 )
日時: 2012/08/17 11:42
名前: 亜鶴 (ID: 1LZEPC8Z)

第二話 舞う銚子


三人を客室で待たせた。この間に料理のしたくや舞妓は身支度をしていた。

「もう他の子、帰えちゃったよ?琴音〜」ともう一人の舞妓が来た。琴音は苦笑いして、髪に髪飾りをつけた。
「お願い。一緒にお客はんの相手してくれへんかな??」と頼む。その舞妓ははあ〜とため息をつき、「ええよ!」と言ってくれた。「椿ちゃん、ごめんね・・・。」と両手を合わして、謝る。

こうして・・・他の舞妓は帰ってしまったため、琴音と椿(もう一人の舞妓)で三人の相手をすることになった。


(更新再開)
銚子を持って、長い廊下を歩く。三人を待たせている客室は一番奥の部屋。音を立てず、静かに歩く。部屋の襖の前に立ち、端座する。持っていた銚子を床において、サッサッと襖を開け、お辞儀する。「お待たせいたしました。」と琴音。その後に、椿は「椿どす。」と名乗った。少年は彼女たちに見とれていた。椿は少年の方を見て、微笑んだ。少年は照れて、顔を真っ赤にした。「きれい・・・」とつぶやきながら。


先に椿から部屋に入っていった。その次に琴音。
「うわあああっ!!」と琴音は叫んだ。琴音は段差に突っかかり、空中に一瞬だけ浮いた。そのまま、少年の座っている方まで飛んでいってしまった。琴音の持っていた銚子も同じく空中を舞っていた。当たり前だが、その中には酒が入っている。こぼれ溢れ、少年の着物と袴にかかってしまった。

「痛てって・・・」と琴音は畳にうつ伏せの状態で、顔を持ち上げた。
「ああああっ!!!」と少年の酒まみれの姿を見て、大声を上げた。
「申し訳ありませんっっ!!」とすぐ起き上がって、少年の側に駆け寄った。


「もう〜!!なにやってんのよ〜ドジ琴音ー!!」と椿はあきれていた。沖田は大笑い。斎藤は表情を変えず、その状況を見ていた。

少年の酒まみれの着物と袴を慌てて、布巾で拭いた。「あ・・・あの、いいですよ」と気の優しい少年は苦笑いで、止めようをした。でも琴音は一生懸命拭き続けていた。

((どうしよう・・っ!!お客様がお酒臭くなってしまう・・。しみにもなってしまうし・・・。どうしたらいいの!?))と不安を抱え、拭き続ける。



「ねえ君!」大笑いしていた沖田が声をかけてきた。「はいっ!?なんでしょうか!!」と返事した。「この子が着れるような着物もってない?」

「え?」
「持っていたら、貸してほしいんだけど・・・?」と言った。琴音はすばやく「持っていますっ!!」とうなずいた。でも苦笑いして、「女性用どすけど・・・」と言った。


「それでも構わない。今は性別関係なく着るものの方が大事だ・・。」と斎藤は答えた。沖田もうなずいた。少年は「えっ!?斎藤さんっ!?沖田さんっ!?」と顔を赤くして、戸惑っていた。


「千鶴ちゃん、着替えておいで」と沖田は微笑んで、言った。



—————こうして私は・・・女装することになりました・・・。




          つづく



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