二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 ———刹那の契り ※イラスト描きます ( No.219 )
- 日時: 2012/03/21 14:12
- 名前: 亜鶴 (ID: Nco2fuPq)
第十四話 残酷な会い方 (琴音視点)
私は今、十番組の原田さんたちと町にいた。
どうして外に出さしてもらえたと思いますか?
それは、昨夜…土方さんに私が潔白であることを証明するため、お父様にどんな手を使ってもいいから、すべて話させることを条件にして、説得したんです。
あの鬼副長から許可を得るには苦難と学びました。
でも嬉しいことに取り上げられていた夢花刀返してもらえました。
とても安心しました。
この夢花刀はお父様から預かったとても大切な刀です。
もう私の一部と言ってもいいんじゃないかと刀に愛情が湧いてきます。
「原田さん、付き合ってくれて有難うございます。」
横にいた原田さんに丁寧にお礼を言った。
原田さんはこっちを見て、微笑んだ。
「礼なんて言わなくっていいぜ。」
「それにしても、証明すれば、お前は自由の身なれるなっ。良かったな!」と言い、私の頭に大きな手のひらを乗せた。そして一緒に喜んでくれ、頭を撫でてくれた。
「はい!」
元気に返事し、元気な表情を見せると、彼はさらに微笑んだ。
**橘屋**
ついに目的の橘家についた。橘家は和菓子屋の裏側にある。となると家に入る近道は店の出入り口になる。
裏に玄関はちゃんとある。
でも新選組を待たせるにはいけないと感じ、私は出入り口から入ることを決める。
でも今日は店の戸は開いていなかった。いつもなら全開に左右の戸が開いている。
「今日は…休みかな」
とつぶやき、原田さんの方を見る。
「あの…閉まっているみたいなので、裏から入って、ここ開けますので少々お待ちください。」と告げ、橘屋と横の店に挟まれる狭い路地に一人で入ってゆく。
家の庭に辿り着き、縁側の戸をがらがらと音を立てながら開け、縁側えと上がる。
そしてすぐに店の方に駆けていこうとしたら、真琴の部屋に通りかかり、戸を開けてみることにした。
戸に手をかけ、きっと寂しがってるかなと思った。
バっと開け、笑顔で「真琴ー!!お姉ちゃん帰ってきたよ!!」と知らせる。
「……」
部屋から何も返事が返ってこなかった。それに真琴の姿も見られないし。
でも真琴がここにいたという形跡があった。
布団が引かれ、多数の玩具が部屋のあちこちに散らばっていた。
「まったく……汚いな…」と思い、溜息する。こないだまで暮らしていた自分の家なのに懐かしさと新鮮さを感じた。フっと苦笑した。
部屋に入り込み、真琴の布団を折畳む。
「!?」
私は気がついた。
布団中に大量の血痕がついていることに……
驚いて、尻餅つく。
“何これ…”
いったい何があったのだろうかと考えたくなく、咄嗟に真琴が鼻血を出したのではないかと思い込む。
(更新再開)
そのまま…私は鼻血だと勝手に思い込んで、再度、真琴の布団を片付けることにした。
綺麗に折畳んで、折畳んだソレを持って、立ち上がる。
押入れに収納しようかと思い、押入れの方向に向かう。
サーと押入れの戸を開ける。
「……いやぁぁぁぁっ!!!!!」
悲鳴を上げ、体勢を後ろへと崩す。そしてまた尻餅をつく。
その悲鳴の後…バタバタっと数名の足跡が聞こえた。
「琴音っ!!」
口に両手を塞ぎ、仰天していた私に声をかける。
原田さんと隊士が駆けつけてきた。
「……はっはらだっさん…」
私は気狂うように怯え、泣き崩れる。目の前に光景に指を指す。
原田さんは部屋に入って、私の横へと立つ。
指さしている方向に彼が目をやる。
「…っ幸成さん!!」
彼も酷く驚いていた。
**私たちが目撃してしまったのは……
血だらけになった父様の遺体でした……。
「琴音っ!!」
その後、私はその場に倒れ込んだ。
目の前の光景がとても信じられなかった…。
続く…
琴音、父の遺体を目撃してしまいましたね…。
可哀想に。
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