二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 ———刹那の契り——— ( No.253 )
- 日時: 2012/04/29 09:53
- 名前: 亜鶴 (ID: iOs0JzFP)
土日更新するとか言って…しなかった亜鶴です。
申し訳ありませんでした…><
大変お待たせ致しました…、
第二十話 野次馬と、真剣のせい です———。
「いつでもかかって来い」
斎藤はそう言って、真剣を構えた。
琴音たちのsideには隊士たちの野次馬がこれは見物だと集まっていた。
その中には組長らもいた。
琴音はそんな状況に怖気付いていた。
琴音は普通の稽古を望んでいたが————、大胆な稽古になってしまった。
((いつもの私なら…こんな状況でもできたのかなぁ))
あの風間のせいで、心が少し折れてしまったせいで…剣に対しての愛情が湧かない。
少し悔やみながら、真剣を構える。
((あと稽古なのに———、真剣の稽古ってどういうこと…))
もう一つの問題に触れる。
((今なら…まだ————))と心の中でつぶやき、斎藤を見つめる。
「どうした、橘」
黙り刀構える琴音に斎藤は平淡に訊ねてきた。
慌てて、取り乱す。
「あっ、すみませんっ!!!」
謝ることしかできなかった。本当は、竹刀でしませんか?と提案したかった。
「琴音ちゃんは一くんを斬っちゃうかもしれないと思って、怖がってるんだよ」
壁に寄りかかり、からかう口調で野次馬・沖田は言う。
そんな沖田にムっとして、琴音は強気で「怖がっていませんっ!!」と言ってやった。そしたら、沖田は図星だろ?というのを黒い笑みに含めて、笑い始める。
「橘、総司の言ってることが本当なら、無理をするな。」
斎藤は琴音を気遣って、そう言ってくれた。
斎藤さんは沖田さんと違って…やさしい!と思った直後———、
「大丈夫だよ。一くんは剣の達人級だもんね。そう簡単には斬れないよ」
また沖田が口を開く。
「峰打ちでもいいから、かかって来い」
斎藤は沖田の言葉に付け加えて、言った。
「はい!峰打ちなら!!」
斎藤の言葉に対して、やる気が湧いてきた。
改めて、少し自信を持てた掌で峰を握る。
そして——、斎藤に向かって…走り出す。
「ヤァ——ッ!!」
斎藤は斬りかかってくる琴音の峰をひょいひょい交わす。
そんな斎藤にも負けずと、斬りかかる。
「二人共…速いなっ」
原田はそう言う。
((斎藤さん、強いな…、でもっ!))
琴音は心の中でそう言って、斎藤より素早く動き始める。
達人級の斎藤でもその速さにはついていけず、驚いていた。
そして、斎藤の背後に回り込み、峰を急所に向かって振るが——、その途中で刀を下ろす。
「どうして、峰打ちしないんだ!?」
周りの野次馬は琴音の不思議な行動に驚いていた。
そんな野次馬たちに琴音はこう対応した。
「これはあくまでも稽古です。別に本気しなくても——、いいじゃないですか!」と言い、ニパっと可愛らしい微笑みを野次馬たちに見せる。
「橘さん、優しいなっ!」
琴音を女と知らず男と思っている平隊士はそう言って、関心していた。
「いい腕だ。」
斎藤は褒め称えた。
「そんなことないですよ、斎藤さんの方がいい腕です。」
照れながら、琴音は言った。
「琴音…お前、何でもやると言ったな?」
土方が確認するように訊ねてきた。
「えぇ、私にできることがあれば!」
琴音はそう返した。
「幹部補佐になってくれるか?」
土方の言葉に野次馬たちは驚いた。
琴音も同じく、驚いていた。
「ほ、補佐!?いいんですか?私みたいなのが…」
琴音は声は震わせながら、訊く。
「あぁ。」
素直に頷いてくれた。
「はい、ぜひ!!」
琴音は目を輝かせて、嬉しそうに言った。
((皆さんのお役に立てれば…喜んで何でもやります。))
そう唱えて、琴音は微笑んだ。
続く…
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