二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 ———刹那の契り——— ( No.298 )
- 日時: 2013/03/01 17:04
- 名前: 亜鶴 (ID: V9P9JhRA)
【沖田×凛 花冠】二部
店を出た後は行き当たりばったりで町を巡っていた。
町娘が行きそうな可愛らしい小物を扱っている店に行ったり、出店を巡ったりした。
「次はどこへ…『そうじー!!』
私の声が元気な大声に掻き消される。
そしてその声の主は総司さんの元に駆け寄って、飛びついた。
「おっと、蒼(あおい)と栞ちゃん」
総司さんに飛びついてきた主というのが、幼い男女の子だった。
「あの、総司さん…この子たちは?」
「近所の兄妹だよ。こないだ散歩してた時、知り合って友達になったんだ」
「そう、なんですか!?」
こんな可愛らしい兄妹と総司さんが…友達か。
子供好きの総司さんらしいです。
ついつい頬を緩めてしまう。
「ねぇ、総司!俺たちと遊ぼうよ」
兄である蒼くんが総司さんの袖を引っ張って、強請った。
「栞も総司兄ちゃんと遊びたい〜」
妹の栞ちゃんも蒼くんに加勢し始めた。
総司さん、幼い子たちに人気なんだ…!
そんな彼は袖を引っ張られて、困り果てていた。
「ごめんね。今、お嫁さんとお散歩中だから、遊べないんだ」
総司さんの言葉に兄妹たちは残念そうに頭を垂らした。
それと別に、私は彼の優しさにどきっとした。
…総司さん、貴方は———
私との【今】を大事にしてくれるんですか?
———だとしたら、ありがとうございます。じゃあ私は…貴方のために…
「私は大丈夫ですよ。その子たちと遊んであげて下さい」
ニコリと微笑み、そう言う。
「いいの!?凛」
驚きながらも、尋ねてきた総司さん。
私はそれにコクリと頷く。
「ありがと」
「礼を言われるほどではありませんよ。夫婦なんだから」
そう言葉を交しあって、私たちは笑う。
デートはもう終わちゃったけど、彼が喜んでいるのなら…それだけでも私は幸せなはず。
けど少し心残りもあるかも。
がくんと頭を垂らし、俯いていると———
ぐいっと袖を掴まれた。
「お姉ちゃんも一緒に遊ぼう!!」
袖を掴んだ手の主こと、栞ちゃんは無邪気に笑って、そう言ってくれた。戸惑って、総司さんの方に視線を送ると、笑顔で頷く彼がいた。
「うんっ」
私は元気に頷いた。
河川敷の原っぱで私たちは【花冠】作りに没頭していた。
「んー上手くできない」
私はそう呟いて、摘んだ色とりどりの花を繋げていく。
「わぁー総司兄ちゃん、すごい!!」
栞ちゃんが総司さんを絶賛して、声をあげた。
何がすごいのかと、蒼くんと私は二人の方に視線を送る。
総司さんが手にもつ冠に注目。
「そうじ、もうできたのかよ!早い!」
「それに綺麗にできてる。総司さんって手先が器用なんですね!」
ふと、自分が編んだ冠に視線を落とす。
無造作に編まれた花冠…
何なんだ、この差は…
男の人の方が器用ってどういうことだとつっこみたくなる。
羨ましいと彼に見惚れていると———、
次の感覚に私は驚く。
———ふわっ
彼の手によって、私の頭に花冠が乗せられた。
目を丸くして、じーっと固まってしまう。
「君にあげる」
彼の言葉に私は頬を緩めてしまう。
「凛…」
互いの目が交じり合う。
「はい、総司さん」
「この花冠に誓う。君を永遠に…愛すことを」
その誓いの言葉に一気に顔が桃色に染まる。
「私も、貴方と共に添い遂げます」
きっぱり告げ、私たちは笑う。
「ずっと…一緒だよ」
「はい!」
この花冠はいずれ枯れてしまうときがやってきてしまう。
けれど、私たちの愛の契りは永遠に枯れることはないでしょう。
互いを大切に想い合っている私たちなら…きっと。
終
まず謝罪を。
変なオチになってごめんなさい。
お恥ずかしい///
どうかこの亜鶴を許してね。