二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 悪ノ召使【ボカロ】 ( No.5 )
日時: 2011/11/28 20:54
名前: 基山 ヒカリ ◆TGiN5W4D8c (ID: X9/3/8Rv)
参照: 酉つけました☆

第三話〜身分の違うもの〜

「あ…なた…もしか…し、て…れ、レン…な、の…?」
リン——いや、お嬢様が、途切れ途切れにつぶやいた。
声が震えていた。目にはうっすらと涙が浮かんでいた。
そうだよ。僕。僕だよ。レン。ずっと、ずっと会いたかった———…。
また、あえたね。とっても嬉しいよ——リン—————————…。
嬉しくって、僕は、そう答えたかった。
それでも。
今は——…僕とお嬢様は、身分が違う。
こんな事は許されない。
僕は——召使なんだから。
少し考えて、僕はお嬢様にこう答えた。
「はい、僕はレンと言います。覚えてくださって光栄です。”お嬢様”」
僕は、ニコニコしながらお嬢様へ答えた。
途中で、顔が引きつりそうになったけれど。
でも、とりあえず、よかった。
これなら大丈夫、きっと。
これからこの調子でやっていけばいい…………。
リンは、一瞬表情をゆがめ、目の涙の量が増えた。
でも、すぐにニコリと笑った。
僕は、心の底からホッとした。
リンは、認めてくれた。
流石、僕の可愛い兄弟————…。
「えぇ、これから宜しくね。レン。」
リンは、まんねんの笑顔でそう言った。
でも僕には、それが作り笑いで…、
心の奥に、納得していない気持ちがあるのが解った。
だって僕らは双子だから。
父さんよりも、母さんよりもずっとずっと…。
お互いのことが解りあえる、双子だから。
お嬢様の事なら、何でも分かってしまう。
逆にお嬢様は、僕のとこなら何でも分かってしまう。
それでも、それだからこそ…この調子なら、きっと乗り越えられる。
僕はそう確信した。と、同時に、僕はこう誓った。
『君を守る、そのためなら、僕は悪にでも、なんにでもなってやる——』
と。

続く