二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ぬらりひょんの孫〜月下美人〜 ( No.256 )
日時: 2012/07/21 20:04
名前: このみ (ID: 3/dSGefI)


第二十四話 二回目の金色の光



「ガッ、ハ……。が……ぐぅ……」

羽衣狐の傷口からドクッドクッと血が溢れだす。

「な、なんじゃ……!?その刀は……」
「ハァ、ハァ」

ぬらりひょんが手にしていた刀は、妖刀。
花開院秀元が作った妖刀、祢々切丸。
羽衣狐の傷口から、大量の妖力が噴き出た。
妖力は金色の光によって空いた穴を綺麗に通過している。

「ぬ……抜けてゆく!?妾の妖力が抜けてゆく!?まま待て……どこへ行く……。
戻りやあああぁぁぁ何年かけて集めたと思うとるぅ——————!!」

妖力を追いかけてその穴を通る羽衣狐。

「珱姫ー!」
「総大将!!ここは俺達に任せろ!!あんたはあいつを追え!!とどめを……刺しに行け————!!」
「牛鬼……!!任せたぞ!!」

ぬらりひょんは近くにあった階段を駆け上がっていった。





階段を全て上り切り、屋根の上に立つぬらりひょん。
背後から迫っている尻尾に、気付けないでいた。
しかし————。


ドオオオン————!!!!



「「!!??」」

またもや、金色の光が月から落ち、羽衣狐の尻尾を襲った。
尻尾は一本丸々焦げ落ちた。

「またか……!!!!なんじゃこれはっ!!!!」
「…………(また……?)」

空を見上げた時、舞い落ちてきたのは————。

「月下美人……?」

自分の掌に落ちてきた月下美人は何故か温かくて、懐かしい温もりで。
しかし花はすぐに金色の粉になって消えた。
ふわりふわりと、たくさんの月下美人が大阪城に降り注ぐ。

「おのれぇぇえええっ!こんな余興は終いじゃ!!!」

羽衣狐がそう言った時————。

「式神 破軍」
「!!」
「ひ……秀元……?」

無数の文字が、羽衣狐を包む。
《こんなもの、振り払ってくれるわ!!》
しかし、力が、入らない。
そこでやっと羽衣狐は気付いた。
二回にも及ぶあの「光」のせいで、ぬらりひょんに削られた妖力以外の妖力が失われているという事に。
それは羽衣狐が強大な力を持っているが故に気付けなかった事実。

「邪魔するな……秀元」
「おいおい……その刀造ったん僕やで?よう斬れるやろ。ぬらちゃんええとこ持っていき」
「ち……お前に借りを作る事になんのかよ……」

ザッザッと羽衣狐に近付くぬらりひょん。

「ま、またんか!!」

そんな言葉はもちろん無視し、羽衣狐の器を真っ二つに斬る。

「お……おの……れぇええ。お主ら許さん絶対に許さんぞ呪ってやる!!呪ってやる!!ぬらりひょん妾の悲願を潰した罪……必ずや償ってもらうからな、お主らの血筋を未来永劫呪うてやる 何世代にもわたってな……。お主らの子は孫は!!この狐の呪いに縛られるであろう!!」

最後にぬらりひょんと花開院の血筋に呪いをかけ、空の彼方へと消えていった羽衣狐。
羽衣狐の器は屋根から落ち、家臣たちに発見された。

「ぬらちゃん、この月下美人は何や?空から……月から、降って来るんやけど」
「……ワシにも、わからん。ただ、これは……」


「貴方の予想通りよ、ぬらりひょん」


「「!!」」

声の主の方を見る。
そこには輝夜の母、月の都の女王がいた。