二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ぬらりひょんの孫〜愛してくれたから〜   コメント募集中!! ( No.83 )
日時: 2012/01/12 22:04
名前: このみ (ID: 1kkgi9CM)

第十二幕   まさかの…


奴良組に来てから早二ヶ月。解らないことも多いが、大体の仕事は覚え、忠実した生活を送っている。
いつもならテキパキと仕事をこなすのだが、この時は違った。
《なんでしょう…?さっきから…気持ちが悪い…》
気持ちが悪すぎて思うように体が動かない。

ガッシャーン!!パリーン!!
ドサッ…

『う…』

体が倒れるのと、持っていた十数枚の食器が割れるのはほぼ同時だった。
《……?》
何故倒れたのか、自分でも解らないいまま気を失った。




「〜♪」
ぬらりひょんは散歩に行くと輝夜に伝えようと台所に向かって歩いていた。
その時…。

ガッシャーン!!パリーン!!

「な、何事じゃ!?」

音は台所からだ。
ぬらりひょんはダッと駆けだし、台所に飛び込んだ。
金色の瞳に映ったのは、倒れている愛妻の姿と割れて散らばった食器だった。

「輝夜!しっかりしろ!輝夜!」

揺さぶるが、起きる気配はない。
顔を覗き込み、ぬらりひょんは絶句した。
顔色が悪い、なんてものじゃない。これでもかと言うほど青白かった。

「総大将?どうかした?」
「雪麗!医者を呼んでくれ!輝夜が倒れた!」
「!?……後で説明しなさいよっ!」

雪麗は薬師一派の当主にすぐに来るよう連絡を入れた。
ぬらりひょんや事情を知った他の妖達は、輝夜を布団に寝かせ、医者が来るのをひたすら待った。

約一時間後、医者が奴良組に到着した。
医者は輝夜を診た後、部屋にいた妖達を追い出した。
輝夜はそれから三十分程で目を覚ました。

『ん…。…あ、の…?』
「私は薬師一派の当主です。輝夜様、ご自分が倒れられたのは覚えていらっしゃいますか」
『え…。あ…妾倒れたんですね…。皆に心配をかけてしまいましたね。あなたもすみません…』
「いえいえ、私はこれが仕事ですから。それでは本題に入らせていただきます」

輝夜はコックリとうなずいた。

「おめでとうございます。おめでたですよ」

……………………………。

『…………ぇ………?』

『え…。えええぇぇ〜〜〜〜〜〜!!!!????』

奴良組に、江戸に、輝夜の叫び声が響き渡った。