二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D.Gray-man 寄生された右目 ( No.10 )
- 日時: 2011/12/09 17:44
- 名前: 有栖 (ID: vGcQ1grn)
ある街中を目立つ容姿で歩いている少女がいる。
少女の名前は、ルキア。
なぜ、目立つ容姿なのかというとルキアは、この国では珍しい白髪なのだ。
その髪の色が目立っている、という事になる。
ルキアは、只今1人でただこの街を歩いていた。
7歳ごろとある旅人に救われ言葉や地理を教えてもらい12歳ごろに1人旅を始めるようになった。
ちなみに今のルキアの年齢は14歳くらいだ。
まだ1人旅をして2年くらいしかたっていないため慣れていない部分もあるが、
一応元気に過ごしている。右目を隠している今は。
「にゃ」
ポケットからもぞもぞと鳴き声をたてて顔をのぞかせたのは小さい黒猫。
元、旅人のゴーレムらしい。名前はクロ・ケルシー。
いつもルキアはクロと呼んでいる。
「ここは、どこか悲しい感じがするね・・クロ」
ルキアは、昔虐待を受けてきた身。
街の様子をみればどんな雰囲気がするのか大体わかる。
「(・・・ルキアは敏感すぎるよ)」
「そうかなぁ?」
いっておくが、クロは一応ゴーレムなので喋る事が出来る。
いわば通信機のようなものだ。ただティムみたいに映像機能はついていない。
ルキアは、自分がそんなに敏感かなぁと考えている時に遠くに人だかりが見えた。
何をやっているのだろうか?
そう思ってルキアはその人だかりに近づいた。
そこでは、黒髪の青年がヴァイオリンを綺麗にかなでていた。
ヴァイオリンは結構難しい楽器だ。弦などの調整もむずかしくひく強さも考えなければいけない。
それをいとも簡単にしかも、奇麗に青年はひいているのだ。
青年の近くにある箱にはお金が入っている。
その青年が1つヴァイオリンを引き終わったときに周りから拍手がわきおこった。
ルキアはどうやらその拍手の音ではっとなったらしい。少し驚いている。
その曲の世界に入り込んでしまったのだろう。
「(ルキアも音が好きだね。僕にはまったく価値がわからないよ)」
「音は楽しむものだよ。楽しめない音なんてこの世にはないよ。」
「(ふーん。)」
クロは、さっきまでずっとポケットから顔をだしていたがすぐに顔をひっこめた。
観客が一通りいなくなった後、ルキアはその青年に近づく。
「こんにちは、上手いんですね。ヴァイオリン。そのヴァイオリンみせてもらえますか?」
青年はルキアに気づいてにっこりと笑う。
「こんにちは。いいですよ。はい、これ。扱いとか気を付けて下さいね?ヴァイオリンって結構扱いむずいですから。」
ルキアは、渡されたヴァイオリンを受け取りそのヴァイオリンをみた。
結構使われているのが素人でもわかった。
「結構使われてるんですね。」
ルキアは、ヴァイオリンを返す。
「そうですね、でも俺そんなにヴァイオリンひきませんよ。」
「え?でも結構使いこんでますよ。」
「はは。これ母のお古なんです。俺は上達してひきはじめてから1年しかたってませんよ。」
ルキアは、「母」という言葉をきいて少し心が痛んだがそれを顔にださず青年に聞いた。
「お母さん、上手いんですか?」
「はい!そりゃぁもう上手いですよ!でも・・今は病気にかかってしまって動けないんです。
それで俺、母と父と3人暮らしなんでろくに金もかせげなくて・・。それでこのヴァイオリンを始めたんですよ。ヴァイオリンは結構難しいですから結構もうかりますしね」
「そうなんですか・・。大変ですね。」
「いいえ、そんなことありませんよ。ヴィオリンをひくのは結構楽しいですし!」
その時どこからか音楽が聞こえた。
青年が時計をみてみるともうお昼だった。
「あっ!もうこんな時間。すみません、俺母の昼食作らなきゃいけないんで帰ります!」
「あ、はい。」
青年はヴァイオリンをすぐにケースにしまいさっさとルキアの元から離れて行った。
ルキアはしばらく青年の背中もみつめていたがしばらくして下から声がした。
それは、結構小さいものだったがどうやらルキアはお腹が減ってしまったらしい。
すぐにそこらへんの店へ立ち寄った。