二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D.Gray-man 寄生された右目 ( No.209 )
日時: 2012/03/17 21:03
名前: 有栖 (ID: T5S7Ieb7)

第13話 イノセンスの叫び



     助けて
                            ヤメテ


 ヤメロ               違う
         破壊
                          ウワァァァァァアアアアアアアアアア


—仲間の悲鳴が聞こえる。でも、助けにいくことは出来ない。しかしとても悲しすぎる。放っておきたくない。毎日ではないけど聞こえてくる悲鳴。叫び。とても悲しいのに助けにいけられない。早く千年公を破壊しなければいけない。破壊しればきっと全てが終わる。そして、悲鳴も聞こえなくなる。でも、千年公を壊し、使命がなくなった俺達はどうなる。消えるのか。それも構わない。必要なくなったなら消えても構わない。元々、俺達がいるからこの世界は千年公に狙われているのだから—


「ルキア、室長が呼んでる」
食堂で朝食をとっていると、リーバーさんに呼ばれる。
「あ、はい! 食べ終わってからすぐいきます」
一気に頼んだものを食べ終わらせ室長室へ向かう。
中には、リナ姉がいる。きっと一緒の任務なんだろうと思う。
「今回は、リナリーとルキアちゃんの2人で任務に行ってもらう」
室長さんは、机の上から資料を引っ張り出す。
「えっと、場所はスペイン。イノセンスがあるかも知れないという情報を受け取ったのですぐに向かって欲しい」
今、「かも」を思い切り強調していたのはきっと、本当にあるのか分からないからだろう。
「それじゃ、いってらっしゃい」
「「いってきます」」
室長室を出ると、リナ姉が話しかけてくる。
「久しぶりの一緒の任務ね。ヴィットリオの時は、途中からの任務だったし。」
「あ、そうですね。」
「イノセンス、あるといいけど」
「かもっていってましたしね」
「うん」



「ルキアちゃん! 着いたわよ」
「そうですね」
任務できた街は随分と殺風景だった。
所々で、破損している部分がある。しかも最近の傷。
「アクマが通ったのかな」
「たぶん、そうかもね。ほら、あそこ」
リナ姉が指さした方向をみると、窓から子供がこちらをみている。
それに気付いた、その子供の親がすぐに窓をしめ、カーテンを閉じた。
「かなり警戒してますね」
「えぇ、まだ近くにいるかもしれないわ。行きましょう」
『アクマの気配はする』
なら、アクマを破壊しなくてはいけない。

イノセンス発動

「リナリー、こっちだ。こっちにいる」
「え、えぇ」
俺は、アクマの気配がする方向へ走り出す。
案の定、ちゃんとそこにアクマは集まっていた。
「ケルシー、行くぞ」
すぐに双剣を受け取り、アクマを破壊する。
リナリーもダークブーツで次々とアクマを破壊していく。

ついに残りの一体。
今回、Lv.2のアクマはいなかったことに少々驚いた。