二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D.Gray-man 寄生された右目 ( No.312 )
日時: 2012/05/28 20:12
名前: 有栖 (ID: vDb5uiaj)

第21話 黒い猫

「この雨じゃ、どの船も動いてくれないよね。」
ティムの行方を追い、ヨーロッパのブルガリアまで来て、そのまた東のアジアに向かっている。
その途中に、海を渡るらしいのだが、かなりの大雨で渡れそうにない。
「そうですね」
「お〜い!」
奥からラビの声が聞こえる。
昨日、ブルガリア付近でバラ祭りという祭がやっておりそこで道草くってたらラビとクロウリーさんを見つけたのだ。
どうやら、クロス元帥の護衛をするために私達と合流のためにいたらしい。
そこで、見事に合流し、現在にいたる。
「やっぱり、連絡船はきそうにないさぁ。」
「今日は、諦めるしかないわね。」
「うん。仕方ないですよね。この雨じゃ…。」
と、いうことで、宿探しに雨の中を歩き回る。
しかし、どの宿屋も満員でどこも入れてくれない。足止めをくらった人達で満員だ、そうだ。
「あ、どうでしたか?」
「こっちも駄目さぁ…。」
「このままだと野宿になっちゃいますね。」
「はぁ〜。こんな雨の中、野宿は勘弁して欲しいさぁ。」
だけど、実際泊まるところがない。
「(あ、黒猫!! 額に変わった模様もしてる…)」
クロが、肩から私に話しかける。クロの視線の先には、鈴をつけた黒猫がいる。
「可愛そうに。こんなにびしょぬれになって…」
リナ姉が、黒猫に近づくと黒猫は、走っていく。
「ニャァァ」
「(…ついてこいって。)」
「このさい猫のねぐらでもいいさぁ。」
ラビは、猫の後を追いかける。
その後に、私達も黒猫の後に追いかけていくことにした。


黒猫を追ってたどり着いた所は、一件の宿屋。
あんまり目立たなそうな場所に立っていて、部屋は、取れそう。
黒猫は、もういない。一体どこにいったというのだろうか。
宿の中に入り、呼び鈴を鳴らす。
奥から出て来たのは、金髪で斜め縛りをした女性の方だ。
「これはっ…」「まさか…」
アレン君とクロウリーさんが何かに反応する。
何に反応したのか不思議に思っていると、急にラビが騒ぐ。
「ストラーイク! もろタイプさぁ!」
「「やっぱり…」」
あまり、ラビと任務にいったことがないんでそこらへんは分からないが、これを予想していたんだと分かった。
「何か?」
「あ、もし、部屋が空いているならば泊めていただけないでしょうか?」
すると、その女性の方は鍵を2つ取りだし、私達に渡す。
「父と母が不在で、大したことは、できませんが。」
「あ、ありがとうございます!!」
「ついでに、君の名前もプリーズ。」
ラビは、完全に惚れている。特徴的な点は、金髪、という所だろうか。
「名前……ルル=ベル。」
「ルルベルちゃん! よろしくねぇ!!」
そんな挨拶をかわしてから、リビングだと思われる場所へ向かう。