二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D.Gray-man 寄生された右目 ( No.418 )
日時: 2012/06/17 09:50
名前: 有栖 (ID: vDb5uiaj)

第26話 手掛かり

目が覚めると、土色の壁が遠くに見えた。
周りを見渡すと、いかにも中国って感じの壁。
ここは、どこかの家か。
どうやら、今仰向けになっている状態らしい。
上半身を仰向けにして周りをもっとよく見てみる。
左目が見えない。
手を、左目へ移動させると何か布のようなものがある。
ちょうど、鏡があったのでそちらへ目を向けると、左目は、包帯が巻かれている。
だから、見えなかったのか。
前より、世界が赤い。左目を失ってしまったせいなのか。

失った…。

いや、俺が今ここに存在しているのだからルキアはまだ生きてる。
ただ、しばらく治りそうにないな。
試しに、包帯を取ってみる。ひどい有様になっていた。
完全につぶれてやがる。ルキアの声も聞こえない。
一体どこにいってしまったというのか。
「はぁ」
一人、部屋でため息をつく。
まだ、回復できる状態でよかった安堵のため息とこれから左目が見えない生活でのため息。
「起きたのか。」
声がした方をみると、そこにブックマンが一人で立っている。
たぶん、俺の左目を見たのもブックマンだろう。
「どうじゃ、左目を見て。」
「ひどい有様だ。完全につぶれてる。」
「そうか。わしには、それが通常の速さより早く治ってきておるようにみえるんじゃが。」
さすがだな。そこまでお見通しか。
「頑張って治してんだよ。術者がいねぇといつもの力の半分もでねぇ」
「やはりお主の力か。そうじゃ、その左目、しばらく隠しといたほうがいいぞ。リナ譲が心配するからのぅ」
そうか、あいつ誰より他人の為に動いてるからな。
俺は、もういちど包帯を巻きなおす。
「そういや、お主。リクトという者を知っておるか」
「………」
包帯を巻きなおしながら、ブックマンの話を静かに聞く。
「元々、黒の教団にいた者だったがな。ノアと、分かってすぐに追いだした。しかしあやつは教団の情報を持っている。」
知っている。それも知っている。
それと同時に、ルキアの前から姿を消したんだ。
「危険人物。いつ教団が襲われても無理もない。だがいつまでたっても襲ってこないのはどうゆうことじゃ? 顔見知りだったようだが何か知っておらぬか」
「しらねぇよ。あいつは、ただいつくるか分からないお前達の恐怖の顔をみて楽しんでんだろ。だからきっと他のノアに話してない。」
千年公には、話してるんだろうけどな。
「そうか…。」
そう言い残し、ぶつぶつ独り言をいいながらこの部屋から出ていく。
俺も、ベットから立ち上がり外に出た。
「あ、ルギア! 動いて大丈夫なんですか?」
「別に。平気だ。どうせ左目しか負傷してない」
そういえば、水晶玉は破壊されたんだな。
みんなの表情をみて察知する。
リナリーが、部屋から出てきて、すぐにここを去った。