二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D.Gray-man 寄生された右目 ( No.443 )
日時: 2012/06/19 20:48
名前: 有栖 (ID: vDb5uiaj)

「発動最大限、解放!!」
この声は、アレンの声か。
声がしたと同時に、アレンのイノセンスが巨大化して咎落ちを抑える。
最大限…。あの、あの手で。イノセンスで、最大限解放か。
それは、あまりにも危険な事で。
俺は、知らずの内にアレンを見たらケルシーの上から飛び出していた。
「アレン! やめろ。危険すぎる。お前の命が危ない」
「それでも僕は、スーマンを生かせたい。絶対、死なせはしない!」
お前は、どうしてそんなに人間を助けようとしている。
お前は、イノセンスとともにアクマを助けるんじゃなかったのか。
アクマより人間の方が上回っているのは、どうゆうことだ。
最初に、俺は聞いた。お前のイノセンスから聞いた。

—アクマを救済するために存在する。

アクマを助ける為に。
アクマを助けたかったからイノセンスを発動したんじゃないのか。
破壊するために。
それが、どうして今、人間の為にイノセンスを発動している。
「アレン…」
小さく、そう呟く。
イノセンスが俺との会話をボイコットしている理由も、もろくなってきている理由も。
何か、分かった気がする。教えてくれなかったのも分かった気がする。
「スーマン! 貴方は、あんなに生きたいと思っていたじゃないですか! 会いたいと思っていたじゃないですか! 誇りを捨てて、仲間を捨てて…それでも貴方は、貴方は生きたかったんじゃないのか!? スーマン!!」
そうか。敵に仲間を売ったんだな。あいつは。
そしたら、アレンは…
まだ発動できている、ということは、少し希望があるのか。
なぁ、そうなのか。
「いくぞ、イノセンス!!」
アレンは、もっとイノセンスの解放を求める。
「アレン! やめろ! それ以上は、危ない!!! 本当に終わるぞ! お前も、イノセンスも!」
だけど、遅い。
あいつのイノセンスが叫ぶ声が聞こえた。
もう、限界だよ。アレン。
「うわぁぁああああああ!!!」
すぐに、イノセンスは発動をやめる。
イノセンスの叫ぶ、声がする。痛々しい。苦しんでいる。
その苦しみは、アレンにも伝わる。
痛々しい、その叫びは、俺の中にも入って来る。
気持ち悪い感情は、これだったのか。
やめてくれ。やめろ。お前は、一体、俺に何を伝えたい。
その痛々しい叫び声で俺をうめつくさないでくれ。
お願いだ、やめてくれ。
「やめろっ!!  っ!」

頭の中でイノセンスではない何かがうずまいでいる。
これは、なんだ。一体、これは…

















—夢をみたんだ。ルギア。昔の夢を。

















—夢?