二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D.Gray-man 寄生された右目 ( No.457 )
日時: 2012/06/24 19:34
名前: 有栖 (ID: vDb5uiaj)

第29話 再出港


—一体どんな…


—懐かしい、昔の夢だよ、ルギア


—どうして今頃。お前は、過去の記憶が曖昧なはずだろ


—なんでかな。今は、すっごくはっきりしてる。すっごく小さい時の記憶もある。


—…


—ねぇ、私の昔のお話を聞かせて。


—今度…な


—今がいいよ


—今は、時間がない


—何の時間がないの


—何の時間…


—ほら、隠してないで教えて。


—…そうだ、現実の時間がないんだ。










いつのまにか気を失っていたようで目が急に覚める。
すぐに目を開けたので光が入り込み眩しい。
夕方でよかった。
周りを見渡すと、何もない。あのイノセンスの暴走もとまって跡形もなく消えてるし、アレンもいない。
傍に、ケルシーがいたのでケルシーと一緒にアレンを探すことにした。
「アレーン」
そういえば、イノセンスは何処にいったんだろ。
アレンのイノセンスの攻撃をうけてから、少し気配の感覚が鈍ってる。
これじゃ、どこにイノセンスがあるのか分かんねぇ…
「うわぁぁぁああああ」
アレンの声。その声が聞こえて来た方向へ走り出す。
すると、誰かと話している声。
俺は、気配を消して近づく。竹やぶの影に身をひそめる。
あれは、アレンのイノセンス……
それを持ってんのは、ノアかっ。おでこに痕がある。
助けにいこうとも行けない。動けない。
今、自分は力不足。被害が増えるだけだ。動いてはいけない。

助け…られない。

ごめん、お前は、助けられない。でもお前が、望むのならば。
お前が術者を生かせようと思うのなら。
間に合うのなら、助けられるかも知れない。全ては、お前次第だ。

「知ってたか。少年。イノセンスって破壊できるんだよ。ノアの一族と千年公はな」
アレンのイノセンスが壊される。
アレンの近くには、スーマンのイノセンスが落ちている。
今度は、スーマンのイノセンスを狙っているのかアレンのイノセンスを狙っているのか知らないがアレンに近づく。
「ティム、逃げろ。スーマンのイノセンスを持って…行け」
ティムはイノセンスを飲み込み船の方向へ飛んでいく。
「いいか、ティーズ。全部食うなよ。心臓に穴を開けるだけだ。こんな勇敢な奴は、死ぬまでに時間をかけてやるんだ」
ノアが、アレンに近づくと蝶の形をしたゴーレムだと思われるものをアレンの胸へ押し込む。
その瞬間、口から血を吐き出す。
「良い夢を。少年」
カードをばらまき、ティキはその場を去っていく。
俺は、いつのまにか息を止めていたのを思い切り吐き出す。
すぐにアレンに近づいていく。
体が、弱っていく。温度が下がっていくのを感じる。

—もし、間に合うなら・・・

しばらく、傍で様子をみていると周りに霧がかかる。
動き始めた、か。