二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D.Gray-man 寄生された右目 ( No.82 )
- 日時: 2012/02/19 16:30
- 名前: 有栖 (ID: lL8RIxSj)
第7話 物語を描く少女(前半)
イノセンス———ルギアをまともに発動できるようになって次の日。
私は、食堂で朝食を取っていた。奥には神田さんがそばを食っていた。
「おはようございます、ルキア」
後ろから誰かが声をかけて来た。後ろを振り返るとそこには大量の食料を持ったアレン君がいた。
「あ、おはよう。」
「隣いいですか?」
「どうぞ」
アレン君は私の隣に座り、食事を取り始めた。
教団に入ってから3日。今日あわせて4日となる。
「教団にはもう慣れました?」
アレン君がそう聞いてきた。
「まだ全然。元から人間が集まってる所は好きじゃないから。」
どうしても人目の事が気になってしまう。これは、もうなおせない。
癖になってしまっているので仕方ない。
「でも、楽しい所だな、とは思うよ。」
毎日、食堂は賑やかだし室長さんも変だし。それに雰囲気がとても楽しそうなんだ。
「そうですよね。ここはとても賑やかです。」
アレン君もそう思っていたみたいだ。
その時、食堂の入口から化学班の人の声が聞こえた。アレン君はこれから任務らしい。
「あ、では、僕はこれで失礼します。」
「はい。」
アレン君との会話が終わってふと前を見てみた。
そこにさっきまでいたはずの神田さんがいなかった。
いつ抜けたんだ、とか思いつつ、食器を返してから自分の部屋へ向かった。
部屋へ入りベットの上に座る。
そして周りを見渡してみた。まだ何もそろっていない自分の部屋。
そろえる気もない。だからずっとこの殺風景のまま。
それでもいい。この方が落ちつくんだ。同時に1人だともっと落ちつく。
誰にも何にも思われない。誰にも邪魔されない。誰も信じなくていい。
この1人だけの空間が好きだった。
「(ルキア…通信入ったよ。)」
「つなげて」
「(あ、繋がった。どうもぉ! コムイです。ちょっと部屋まで来てくれないかな? 待ってるよ)」
それだけで通信はきれた。
少し肌寒いからコート羽織って行こう。きっと任務だよね。
と、少し準備してから室長室までむかった。