二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: レッドレイヴン  —からっぽの人形— ( No.163 )
日時: 2012/05/19 20:39
名前: 黒猫 (ID: 0/Gr9X75)

 少女はナイフをスッと構えた。
 「初めまして、レイ・クラウディウス。ビアスって言うの、よろしくね」
 レイの顔から血の気が引いた。
 忘れたい名で、呼ばれた。
 「…君は、何者かね」
 「殺し屋、かな?スキャッグスに協力した」
 「…いつからそこにいる」
 ビアスは首をかしげた。可愛らしい仕草だが、持っているものが怖い。
 「そこの人が、ここに来た時くらいから。でも、あなたが来ることを知っていたから、そこの人を殺さず待っていたんだよ」
 レイは疑問を持った。
 (どうして、これが1人の時に殺さなかったのだ?)
 殺されては困るが、“何故”と言う考えが消えない。
 「…悪いが、これの身柄を確保しなければならないのだ」
 レイはナイフが届かない場所まで下がった。だというのに、少女は動かない。
 リューは押されたことで仕方なく横にずれレイの隣に並んだ。銃を腰のあたりで構える。
 「あのさ、ここっていっぱい武器になるようなものがあるんだよね」
 ビアスは虚空に手を伸ばすと、何か手繰り寄せるように引っ張る。
 とたん…
 「がっ…は!?」
 リューは視線を下げた。
 脇腹には銃の破片が…刺さっていた。