二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ジョ−カ−の国のアリス ( No.17 )
日時: 2012/01/01 16:05
名前: 隼子 (ID: a1.gBlqJ)
参照: http://pasusitai

第四話「活気ある遊園地」







ここは塔の中。ユリウスの部屋だ。暖炉の前にいたら、凍えた体も温かくなってきた。できる事ならここから出たくないが、そろそろ遊園地へ行かないと、帰るのが遅くなって、城の皆が心配するだろう。特にぺ−タ−が・・・・・。
ユリウス「もう行くのか?」
私がコ−ヒ−のカップを置くと、時計を修理する手を止めてユリウスは聞いてきた。
「ええ。そろそろ行かないと帰りが遅くなるから」
ユリウス「そうか・・・・。今は夜の時間帯だ、気をつけて行けよ」
「そうするわ。行ってきます」
「行ってらっしゃい」
(ユリウスってお父さんみたい)
ユリウスにはお父さんみたいなところがある。いつも厳しいが、実はちゃんと子供のことを心配してくれる、優しいお父さんのよう。ユリウスは優しくもあり、厳しくもあるから、いいお父さんになれそうだ。
私は部屋を出て、階段を下りた。そこで、ふと何かを思い出した。
(あ!エ−ス・・・!!)
エ−スは今どこにいるのだろうか。今、彼はきっと迷子だ。迷子だとしたら探すのは無理だ。
しょうがないけど、エ−スを探すのはあきらめよう。こんなに大きい塔でさがすのは無理だ。グレイとナイトメアに任せよう。そうすることにした。
塔の外に出た。今は雪は降っていないが、外は暗い。足元に気をつけながら、雪の降り積もる道を歩く。雪はふわふわのままなので、滑って転んだりすることはない。
(冷たいけど)
寒くて暖炉のことを思い出す。あの時は温かかった。同時に、ユリウスや、ナイトメア、グレイを思い出した。みんなこの寒い冬の季節の中でも元気で安心した。
(ナイトメアは、いつものように体調悪かったけど)
そんなことを考えながら、遊園地に向かって歩いた。

塔から出発して少し経った。だんだん寒さはなくなり、雪も溶けてなくなっていた。今は、暑くもなく、寒くもない丁度いい温度だ。

ヒュ〜〜〜〜・・・・パン!・・・パチパチパチ・・・・・・


子供「わぁ------!きれ-----い!!」
子供が外で空を見上げている。真っ暗な空に花が咲くように色取り取りの花火がはじける。とても綺麗だ。それを見ながらどんどん歩く。だんだん暑くなってきた。ここは夏だ。暑くて体から汗が出る。
夜なのに遊園地は明るく騒がしい。
「わ---!!すごい!!」
近くに行ってみると、パレ−ドがやっていた。色んな物が沢山ならんでいる。そこにピアスがすごい勢いで走ってきた。
「うわ〜〜〜〜〜ん!!アリス----------!!!」
ピアスがすごい勢いで抱きついてくる。・・・・・かなり痛い。
「な!?何、どうしたの?」
彼はピアス。コ−ヒ−の飲みすぎで不眠症の眠りネズミ。とても臆病で、ボリスのことを怖がっているのに(猫だから)、ぺ−タ−と、エリオットのことは怖くないらしい(ウサギだから)。ブッラトと同じ、帽子屋ファミリ−、マフィアの一員だ。
髪の色は、オレンジに明るい茶色がちょっと混ざった感じで、髪の先になるにつれてだんだん金色になっていて、片目が髪で隠れている。黒い帽子をかぶっていて、ネズミの耳と尻尾が生えていて、目が大きくて可愛いが、とても怖い少年だ。(ネズミ)
「アリス、アリス!にゃんこが・・・・にゃんこがこっちにくるよ〜〜〜!!」
「また追いかけられているのね」
ピアスの顔が真っ青だ。にゃんことは、ボリスのことだろう。ボリスは、チェシャ猫で、ドアとドアをつなぐことができるらしい。髪の色は、真っピンクで髪で片目が隠れていて、猫耳に金色のピアスを付けている。尻尾には金色の魚のピアスを付けている。さわやかな少年(猫)。
ボリス「みぃ------つ-------け-------た-------!!」
ピアス「ピ!!??た・・・助けて----!!」
ボリスが来てしまった。ピアスの顔は、さらに青くなる。
ボリスはナイフとフォ−クを持って私たちに近付いてくる。私まで食べられそう。
ボリス「おいピアス!アリスから離れろよ!」
ピアス「びえ〜〜〜!こわいよ〜〜〜〜!!!」
そう言いながらピアスは走って逃げていく。
ボリス「待て、ネズミ-----!!!」
ボリスはピアスを追いかける。いつものように。
(食べられそうだったけど、みんな元気で・・・あれ?)
何かおかしい。ここは遊園地で従業人もいっぱいいる。ということは・・・・。
(ゴ−ランド!)
ゴ−ランドがいた。アイスを売っている姿はオジサンそのものの格好だが・・・。
私はゴ−ランドに駆け寄った。
「ゴ−ランド!!」
「お!あんたか!久しぶりだな。元気だったか?」
彼はこの遊園地の、オ−ナ−。いつも変な黄色い服を着ていて、音楽が好きなようだが、バイオリン、ピアノ、その他の楽器も全て、彼が使うと、破滅的な音になる。髪の色は赤茶色で、髪形は三つ編み。
「ええ。ゴ−ランドは?」
「俺も元気だったぜ。暑いだろうアイス食うか?」
「ええ。頂くわ。ここ暑いんだもの・・・」
「はいどうぞ。・・・お代はいいぜ。」
「え?・・・でも・・・」
「いいって、いいって!また来てくれよ。」
「ええ。絶対来るわ。」
アイスを受け取る。アイスは冷たくてひんやりしている。食べてみると冷たくておいしい。これはソ−ダ味のようだ。
「美味しいわ。ありがとう」
「イイってことよ!・・・・・そろそろパレ−ドも終わるな」
ゴ−ランドはパレ−ドのほうを見てそういった。
私は、ゴ−ランドに会えて嬉しい。ユリウスもゴ−ランドも、もう会えないと思っていたのだ。この世界ではふしぎなことはいっぱいある。でもこんなに嬉しい事もあるのだと、今この瞬間、そう思った。