二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ジョ−カ−の国のアリス ( No.23 )
- 日時: 2011/12/27 12:49
- 名前: 隼子 (ID: f4Q8EoDG)
- 参照: http://pasusitai
第六話「アリスの脱走」
「いい天気・・・・・」
この世界ではいつもいい天気だ。時間帯が昼であれば、いつでも洗濯日和になる。
メイド1「いい天気です」
メイド2「いい天気ですわ」
ぺ−タ−「いいえ!悪い天気です」
一人だけ悪い天気だという人(ウサギ?)がいるが、もちろん悪い天気なんかじゃなく、とてもいい天気だ。
「いい天気じゃない?」
「あなたが僕に構ってくれない天気なんて・・・・悪い天気なんです!!」
「悪いのは、あなたの頭よ・・・。邪魔だから離れなさい!」
今、私はメイドの仕事をしている。洗濯物を干したり、モノを運んだりする。とても簡単な仕事なのだが、ぺ−タ−が私に引っ付いているせいで上手く仕事の洗濯物が干せないのだ。
「仕事なんてしないでください!!・・・こんな雑菌だらけのシ−ツは、あそこにいる顔なし達にやらせておけばいいんです」
彼は潔癖症で私以外の人には触ることもできないのだ。
メイド1「はい、私たちにお任せください。」
メイド2「すぐに終わらせますので。」
「駄目よ!私もちゃんとやるわ。ぺ−タ−、早く離れてよ!!」
「嫌です!!離れません!!」
どうあっても離れたくないらしい。
「離れたくないなら、離れさせるまでよ!!」
ぺ−タ−を思いっきり叩く。
ドカ!!
「っ!!?痛いです!!動物虐待ですよ!?」
「痛いなら離れればいいのよ!」
痛いなら、やられる前に離れればいいと、彼は思わないのだろうか。もしくは、思っていてもそれでも離れないのだろうか。
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数時間帯後、休みの時間帯になり、余りにもぺ−タ−が鬱陶しかったので、遊園地まで逃げることにした。遊園地は『夏』なので、夏に変えてもらうために、今ジョ−カ−とカ−ドゲ−ムをしている最中だ。
ジョ−カ−「それは災難だったね・・・・ふふふ・・・」
仮面「ぶっははははははは・・・!!」
「笑わないでよ・・・大変だったのよ?」
本当に大変だった。ぺ−タ−は完全なスト−カ−だ。こっちに逃げて来るのは大変だった。
「あそこまでいくと、スト−カ−ね!」
仮面「あいつは昔からイカレテルからな・・・!」
ジョ−カ−の仮面が喋っている間に、ジョ−カ−は、私の持っているカ−ドを引く。私の勝ちだ。
ジョ−カ−「あはは・・・・・負けちゃったな。君の勝ちだ」
「季節を夏に変えてほしいの・・・」
ジョ−カ−「夏だね・・・」
ジョ−カ−が季節を変える。だんだん日差しが強くなり、暑くなった。
「ありがとう。行ってくるわ」
ジョ−カ−「どういたしまして。行ってらっしゃい、アリス」
私は、サ−カスの森を超え、遊園地まで歩いた。少し疲れたが、ぺ−タ−から逃げるためだと思えば、どうってことない。
いつも遊園地は賑やかだが、今は更に賑やかだ。きっと夏仕様に改造したからだろう。プ−ルには、パラソルが付いている。大きくて、いいパラソルだ。
フラフラと、遊園地の中を歩いていたら、ゴ−ランドに会った。
「ゴ−ランド!!こんにちは!」
「おお!!あんたか!早速来てくれたんだな!!嬉しいぜ!!」
ゴ−ランドは本当に嬉しそうに、こっちへ向かって歩いてくる。
「約束は守るわ。今は仕事中?」
「おう、悪いな。一緒に遊んでやれなくて・・・」
「いいのよ。こっちが勝手に来ただけだから」
「また今度、俺の新曲聞いてくれよ!」
「え・・・ええ。また今度時間があれば・・・・お仕事がんばってね!」
「ああ!じゃあな!!」
ゴ−ランドから素早く立ち去る。仕事が忙しいようだ。それに、あれ以上いたら音楽を聞かされそうな気がしたからだ。彼の音楽は、死者を生むこともあるのだ。
(何回か聞いたことあるけど、あれは酷いわ)
思い出しただけでも耳が痛い。
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一人で遊び始めてからしばらく経った。ゴ−カ−ト、コ−ヒ−カップ、ジェットコ−スタ−、回るブランコ・・・・他にも沢山の乗り物に乗ったせいか、クラクラしてきた。
(そろそろ帰ろうかな)
そろそろ帰ったほうがいい。今から2時間帯後に、メイドの仕事があるからだ。遅れるわけにはいかない。
出口に向かって歩いていたその時・・・・・
「アリス!アリス!遊びに来たの?そうだよね?」
歩いていたら、ピアスが走ってくる。追われている様子はなく、とても元気な様子だ。
「遊びに来ていたけど、もう帰ろうと思うの」
「え---------!!?どうして??」
「メイドの仕事が2時間帯後にあるのよ」
時間帯は不規則に回るから、時間帯が長いか短いかも分からない。短かかったら仕事に遅れてしまうのだ。
「仕事なんてしなくていいよ。俺と遊ぼうよ!!遊んでくれたらチュウしてあげる!!」
「いらない!チュウしたら遊ばないから!!・・・・・あ」
「どうしたの、アリス?」
「チュウ・・・・」
「?」
チュウという言葉が移ってしまった。キスではなくチュウ・・・・。こんな言葉、ピアス以外の人の前では、恥ずかしくて言えない。
「あ!!分かった!チュウしてほしいんだね!!」
ピアスは言い終えると、頬にキスしてきた。こんなに人の多い場所で恥ずかしくないのだろうか。私は赤面してしまう。
「や・・・・やめてよ、ピアス!こんな所で・・・」
こんな所でなくても嫌だが、こんなに人の多い場所はもっと嫌だ。
「そうだぜ?・・・・食われたいのか・・・ネズミ」
いつの間にかボリスが、近くにあったパラソルの下にいた。左手にフォ−クとナイフを持ち、右手に銃を持っている。これはマズイ・・・・。ピアスの顔がだんだん青くなっていくのが分かった。
ボリス「ピアス・・・・お前何アリスとイチャついてんの?」
ボリスがピアスに銃を向ける。いつ打たれるのかと気が気じゃない。
ピアス「い・・・イチャイチャなんてしていないよ・・・・・。チュウしていただけだもん・・・。」
ピアスが怯えながら私の背中に隠れる。情けないが、こうしていないと撃たれてしまうだろう。ピアスは頭が悪いが、動物の勘で分かるらしい。
「やめてよ、ボリス・・・・・・撃っちゃ駄目!」
ボリス「撃たないよ・・・・・あんたがいるから撃てない」
ほっとした。撃つのはやめてくれるらしい。
ボリス「その代わり・・・・」
ほっとしたのも束の間。ボリスが私に向かって歩いてくる。ピアスは怯えて離れていく。
ボリスの手が頬に触れる。とても暑い。
「・・・・・・な!!?」
「俺にもさせてよ・・・・・『チュウ』」
ボリスの声が耳元で聞こえた。
「や・・・、やめて!」
ボリス「駄目」
「駄目はお前だろ!」
ボリスが嫌そうに見ていたのは・・・・ゴ−ランドだった。
ボリス「おっさん、空気読めよ・・・・」
ゴ−ランド「空気読めないのはお前だろ!!俺のバイオリンの裏に『ゴミ』だなんて書きやがって!!・・・・・って言うかおっさんじゃねえ!」
ピアス「オ−ナ−さん・・・・それをどこかへやってよ・・・。」
私達がいる所よりちょっと離れた場所から声がする。
ゴ−ランド「お前までこれをゴミ扱いするのか!!?ちょっと聞いてみろよ!感動するぜ?」
ゴ−ランドがバイオリンを構える。
ボリス「ま、マズイ・・・!!?逃げよう、アリス!!」
「う、うん!」
ピアス「死んじゃうよ〜〜〜〜!!逃げなきゃ-------!!!」
ゴ−ランド「おい?待て!!」
私たちは逃げる。ゴ−ランドは追いかける。鬼ごっこに見えるかもしれないが、命懸けだ。
しばらく、遊園地には来たくない・・・。
今は・・・・。