二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ジョ−カ−の国のアリス ( No.6 )
日時: 2011/12/27 12:46
名前: 隼子 (ID: f4Q8EoDG)
参照: http://pasusitai

第二話  ファミリ−のお茶会







ハ−トの城をを飛び出して、今は帽子屋屋敷に向かって歩いている。気温が少しだけ春に比べたら低いが凍えるほどではないので、とりあえず平気だが・・・・。
(綺麗だけど・・・・・赤いわねすごく。)
屋敷の近くに行けばいくほど葉の色は強くなり、赤くなる。血のような赤色ではないが、見ているとだんだん目が痛くなってくるチカチカする・・・・錯覚のようなものだ。
目が痛いので下を向いて歩く。歩きにくいが目は痛くなくなった。
私は歩く人を、下を向きながら避けていたのに人がいなくなったことに違和感を感じて、前を向く。前には帽子屋屋敷の門がある。ここはマフィアの本拠地で本当ならあまり近寄らないほうがいいと思うがみんなに会いたくて、つい来てしまったのだ。門の前には双子がいた。彼らは帽子屋屋敷の双子の門番で、通称『ブラッディ・ツインズ』と呼ばれている。名前の通り彼らはいつも血まみれで恐ろしい双子だ。彼らと遊ぶといつ死んでもおかしくない状況になることがよくある。
「あ!!お姉さんだ!!」
「おねえさ〜〜〜ん!!」
双子は私に駆け寄ってきた。
二人とも髪の色が深緑色なので目の色と服の色でしか見分けはつかない。目の色と服の色が青なのが『ディ−』、目の色と服の色が赤なのが『ダム』だ。たまに遊びで服を入れ替え、目には色つきのコンタクトレンズをつけて入れ替わっているときがある。当然、私は気づかなかったが。
ディ−「お姉さん!僕達に会いに来たんだよね?」
ダム「遊ぼうよ!!お姉さん」
双子は私の腕に巻きついてくる。片手に斧を持ったまま。斧の刃先がギラリと光っている。とても危ない。
「あ、危ないから近付かないでよ・・・」
彼らが子供だから強くは言えなかった。
ダム「お姉さん・・・・・僕らの事が・・・・、嫌いなの?」
ディ−「そうなの!?お姉さん!!?」
双子は目に涙を浮かべ聞いてくる。
(騙されないわよ。・・・・・でも)
これが嘘泣きではなく本当に泣いているとしたら・・・・・。
心が痛む。
「嫌いじゃないわ」
「じゃあ何で?」
二人は口をそろえて言った。
「・・・・・・」
なんて言っていいのかわからなくて無言になる。そんな時・・・・


「おや、お嬢さんこんな所で何をしているんだ?」

突然声がしてビックリし、振り向くとブラッドがいた。彼はこの帽子屋ファミリ−の、マフィアのボスだ。いつも気だるげで退屈なことが嫌いだが、同じ位面倒事を嫌っている。紅茶ばかり飲んでいて、夜型人間だ。今は昼だが・・・。
ダム「お帰りボス!僕たち今まで仕事していたんだよ。お給料アップしてよ!」
ディ−「お金はいいから僕は休みがほしいな−−!」
ブラッド「ふふふ・・・・・、お嬢さんはそれでいいのか?」
ブラッドがにやにや笑っている。いやらしく。
理由は多分・・・・・・・・
(この子たちが引っ付いているせいよ)
「・・・・・・」
ブラッド「まあいい、今からお茶会があるんだが、お嬢さんもどうだ?」
「少しなら・・・・」



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ここは帽子屋屋敷の庭。机と沢山の椅子が並んでいる。私たちはその並んだ椅子に座ってお茶会を楽しんでいる。机に置かれたお菓子や紅茶はどれも凄く美味しい。でもそんなお菓子や紅茶よりももっと気になるものがすぐ近くにあった。それは、オレンジ色でなんだか細長い物体だ。それ以外にもオレンジ色のものがたくさん並んでいる
これらは全てニンジン料理だ。それを食べているのはこの帽子屋ファミリ−のNO2のエリオットだった。体が大きく頭にウサギ耳が生えていて、自分を兎じゃないと言い張るのだ。どう見てもウサギ耳なのに・・・・。
エリオット「うめ〜〜〜〜!このニンジンスティック!ブラッドも一緒に食おうぜ!」
エリオットは満面の笑みでニンジンを食べているが、それを見るブラッドの顔は、少々引きつっている。
ブラッド「私は結構。お前の腹が満たされるまで存分に食べるといい。私の食卓にオレンジが消えるその日まで・・・!!」
(どんだけニンジンが嫌いなのよ)
そう言いたくなるほどブラットはエリオットがたべているものが嫌いらしい。
エリオット「ブラッド・・・・・あんたって優しすぎるぜ!!」
エリオットは尊敬のまなざしでキラキラと目を輝かせている。
ディ−「馬鹿だなぁ、ヒヨコウサギは・・・!」
ダム「フフフ・・・・、嫌がられているのが分からないなんて、本当に馬鹿ウサギだよね!!」
さっきまで別の話題で盛り上がっていた双子は、今はエリオットの悪口を言いながらくすくすと笑っている。
「クソガキども!!!ブラッドは嫌がっていない!!それに・・・・・・俺はウサギじゃねえ!!!」
    

      パンッ!!!

エリオットが銃を鳴らした。平和なお茶会もここまでのようだ。止めたいが危なくて近くにいられない。
またいつものような喧嘩になるのだろう。しばらくは見守ることしかできない・・・・・・。