二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: とんがりボウシと魔法の365にち Weather魔法学校より ( No.14 )
日時: 2011/12/30 00:42
名前: ショート ◆XjkrQ1YXPY (ID: hz0j4KYh)

.。o○ 第5話*練習 ○o。.


あれからあたし達は全速力で学生寮へ戻り、
ライは勢いが止まらず目の前にいたテツの顔面を
ものすごい勢いで蹴り飛ばしたため説教されている。

って、早くしてよ!


「そこの渋柿みたいなやつ!

あたし達は今から練習しなきゃいけないんだから——……」

「誰が渋柿だっ!

お前もそこに正座しろ!」


あ、間違えた。
何であたしテツ怒らせてんの。


「……ったく、お前等は喧嘩するし喧嘩するし喧嘩するし

迷惑かけるし五月蝿いしバカだし頭大丈夫か?」

「こっちの台詞だ、渋柿」

「違うよライ! テツは頭はきっと大丈夫だよ」

「きっと……?」


そう、きっと頭は大丈夫、多分ね。

コイツが大丈夫じゃないのはね————……。


「顔が大丈夫じゃないんだよ!」

「言われてみればそうだな、コイツ顔大丈夫じゃねーな」

「……っ、お前等今日は部屋に戻さんっ!」


ただでさえシワのいっぱいある渋柿が、
怒って余計にシワが増えていた。


「うわー、いやらしい。

部屋に戻さないだってー、きっと猥褻な行為をするんだよ、ライに」

「どうしてオレなんだよっ」


あたしはイヤだもんね。

っていうか、やられたら通報するから問題ない。


「そんなことしねーよ!

ずーっとここで正座してろ!」

「あんた、季節分かってる? 今冬ですよー。

こんなとこにずっといたら風邪引くじゃない」

「バカは風邪引かないっていうだろ」


バカだって人間だから、風邪くらい引くわよ。

って、何かあたしバカってこと肯定してない!!?


「大体、お前等何を練習するんだよ……」

「プライバシーの侵害だ」

「そこの渋柿さん、プライバシーの権利っていうのがあるらしいんだ」

「別にプライバシー関係ないだろ……」


ていうか、渋柿否定しなかったね。


「まっ、そんなわけだから、じゃーねっ」


あたしとライは同時に立ち上がり、各自の部屋へ駆けていった。

……演技、かぁ……。
あたし、ちゃんとできるかなー……。

いや、絶対にできるようになってやるんだからっ!

あたしは鞄を置いて即行でライのところへ行った。


「ねー、ライー、練習ってどこでするの?」

「えっ、知らねーよ」


暫く沈黙が続いた。

数十秒後に口を開いたのはライだった。


「んじゃー、森でいいか?」

「ん、いいよ」


練習する場を森に決め、あたし達は駆け足でそこへ向かった。

よーし、頑張るぞーっ!