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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【少年陰陽師】虚空を駆ける星の如く ( No.10 )
- 日時: 2011/12/27 12:35
- 名前: 光彩 (ID: 2Qew4i4z)
【第四話】
一方その頃、彰子の心配をよそに、昌浩は朱雀大路をひた走っていた。
その横を並走していた物の怪は唐突に問いかける。
「昌浩ー、当てもないのにどうやって探すんだ?」
疾走していた昌浩が、ぴたりと立ち止まる。
「えっと……」
何も考えていないのかったのかこいつ。物の怪は嘆息した。もしやと思い、念のため聞いてみる。
「お前なぁ、まさかなーんにも考えずに突っ走ってたんじゃあるまいな」
「いやぁ、えーと、気づいたら体が勝手に……」
昌浩の目が泳ぐ。
要するに何も考えていなかったというわけだ。いくら清明の後継とはいえど、
理性が感情に勝つようではまだまだ半人前だ。
物の怪は思案する。
きっと清明は今頃、お得意の千里眼で自分たちを見ているところなんだろう。
で、一通り事がすんだら式文を送りつけて昌浩をおちょくるのだろう。ありありと目に浮かぶ。
「で、これからどうするんだ?」
「うーん、あぁそうだ、雑鬼たちに聞いてみよう。目撃者がいるかもしれないし。」
この場合、「目撃妖」と言うほうが正しいんじゃないのかと埒もないことを考え始める物の怪である。
そんな物の怪をさておいて、昌浩はぱたぱたと雑鬼たちのいる屋敷のほうに駆けだしていった。
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