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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【少年陰陽師】虚空を駆ける星の如く ( No.14 )
- 日時: 2011/12/29 11:20
- 名前: 光彩 (ID: 2Qew4i4z)
【第七話】
星が瞬く夜空の中、少女は物憂げな表情をうかべていた。
ざわざわと冷たい夜の風が木の葉を揺らしている。
その音を特に意にも介さない様子の少女は溜め息をひとつついた。
そして顎に手をあて、思案に暮れる。
一体、何処へいってしまったのだろう。
かすかに残った力の残滓を辿って来たが、彼女の探す姿は
一向に見当たらない。沈む思考を振り払うために、
彼女は自分の頬を両手でぱしんと打った。
最近晴天が続いたが、やはり夜は冷える。いつのまにか手が冷たくなっていた。
その瞬間、周りを黒い影が覆う。
異様な気配に少女の肩がびくんと跳ねた。
後ろを振り返る間もなく、鈍い衝撃が全身を駆け抜ける。
次いで、唐突に視界が暗転する。意識が途切れる刹那、
視界に捉えた人影に、彼女ははっと息を飲んだ。
「う、そ_____」
そのまま少女の意識は闇に落ちる。最後、彼女の口が何かを呟くような
動きをしたが、その声は、吹きすさぶ夜風に虚しくかき消されてしまう。
空が、少しずつ翳りだしていた。
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