二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【少年陰陽師】虚空を駆ける星の如く ( No.17 )
日時: 2011/12/31 12:32
名前: 光彩 (ID: 2Qew4i4z)

【第九話】

二人が駆けつけた時には、そこには黒い妖気の残滓がかすかに残っていた。

強い力だ。暗く澱んだ空気に少しだけ息が詰まりそうになる。

その中に、少女が一人、倒れていた。

端整な顔立ちは血の気がなく、青白い頬には乾きかけた血がこびりつき、

その双眸は力なく閉じられている。つやのある白銀の短めの髪は、

彼女が人外の存在であるという事を物語っていた。

「もっくん……」

昌浩の意図することを感じ取った物の怪は、瞬きひとつで

長身の体躯に立ち戻る。

そして、倒れている少女を無造作に抱き上げた。

「なんか、悪いね、俺にもうちょっと体力があったらいいんだけど」

そう言って昌浩は苦笑した。こういうときにやっぱり自分は

しみじみ半人前だなぁと思うのだ。それに紅蓮はこう返す。

「気にするな。別に俺は構わん」

それにしても、この少女は何者なのだろう。紅蓮は首を捻った。

が、しかし、すぐに別の思考にたどり着く。

「昌浩、こいつもしかして彰子と天一が言っていた……」

昌浩は、はっと目を見開いた。確かにこの少女の特徴は、昼間

二人が言っていたことにぴったりと一致している。昌浩はおもむろに呟いた。

「…とりあえず、戻ろうか」

「ああ」

そして二人は安倍邸へと足を向けた。謎めいた少女を連れて____。



なんか終わり方がセンス無いことになっている九話です(涙