二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【少年陰陽師】虚空を駆ける星の如く ( No.2 )
日時: 2011/12/22 10:04
名前: 光彩 (ID: 2Qew4i4z)

【第一話】
稀代の大陰陽師、安倍清明の『孫』こと安倍昌浩は

今日も相棒もっくんと共にせっせと仕事に励んでいた……はずなのだが

ここ数日続いた晴天と、霜月の終わりとも思えないような陽気のおかげで

うつらうつらと夢と現実の狭間を彷徨っていた。

「おーい、清明の孫ー、起きろー」

少し間延びした呑気な声が響く。が、この声は徒人には聞こえない。

「孫言うなっ!!!」

条件反射の様に昌浩が吼える。周りの者が何事かというように不審げな目を向けてきた。

視線をさらっと受け流した後、現実に引き戻された昌浩は少し眠そうに呟いた。

「何かこうもあったかいとついつい眠くなるんだよねぇ」

「『小春日和』ってやつだな」

こう返した物の怪、通称もっくんはもうすでに昼寝体制になっている。

「いいなぁ、物の怪は気楽で」

「物の怪いうな」

もはや日常茶飯事となっている舌戦を一時停止し、昌浩は仕事の続きにとりかかる。

ふと、こういうのを平和っていうんだなぁと彼は思った。