二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【少年陰陽師】虚空を駆ける星の如く ( No.30 )
日時: 2012/01/18 18:47
名前: 光彩 (ID: vOB0vHGS)

【第十六話】(空ちゃん追憶編)

「あーっ、もうありえない!二十日も帰ってこないとか論外っ!」

静寂が支配する境内の中に、少女の怒号が響き渡る。

「落ち着きなさい、空。昴がいなくなるなんてしょっちゅうの事でしょう」

昴、こと空の兄は、二十日ほど帰ってきていない。結構奔放なところがあって、

よく神社を抜け出しているのだが、さすがに二十日も帰らないのは前代未聞だ。

空の叫びに淡々と返すのはここの神社の巫女だ。いつも冷静な彼女は、

何事もなかったように境内の掃き掃除を続ける。

どこか人間離れした雰囲気を持つ彼女は、決してその名を明かさない。

「空、そんなに喚く前に掃き掃除手伝って」

「嫌。誰かに見られたら何て言い訳すればいいの」

「どうせ誰も見ちゃいないわよ、こんな辺境の神社」
 
こうみえて彼女は自分の人ならぬ見た目をかなり気にしている。

この銀の髪と青い目ををじろじろ見られるのを彼女は何よりも厭うのだ。

だがしかし、空の主張は虚しくも受け流される。しばらくだんまりを決め込むが、

巫女の冷徹な視線に耐え切れなくなり、空は渋々掃除を手伝うことにした。

「あーあ、私って一体何者なんだろう」

どこまでも青い空を見上げて彼女はひとりごちる。

白銀の髪、群青の瞳。自分が人外のものであるのは火を見るより明らかだ。

この間なんて、宙に浮いたのだ。もう何が何だか分からなくなる。

唯一の肉親である兄に相談できればいいのだが、いかんせん

いないのだからどうしようもない。そうだ、探しに行こうかな。

なんて考えてると、背後から気配。巫女だ。

「ねえ巫女さま。私、兄さんを探しに行こうと思うの」

唐突な発言に巫女はいささか面食らったようだが、

すぐにいつもの平静さを取り戻した。そして冷淡に言い放つ。

「ばか。無理にきまってるでしょ。第一どうやって探すのよ」

「大丈夫だよ、空も飛べるし」

「そういう問題じゃないでしょ。あとそんなことしたら見られるわよ」

ぴきり、と音を立てて空が固まる。無論、そんな音がするはずは無い。

あくまでも巫女の主観的感想だ。巫女はふっと顔をほころばせると、

まだ固まっている空に語りかける。

「なんてね。あんたみたいな人ならぬ者は普通の人間には見えないの。

 『見鬼の才』を持つ者にしかあんたの姿は見えないわ。」

「巫女さま、要するにそれって私が人じゃないって事ですよね」

訝しげな空の返事に巫女は、真意が読めない曖昧な笑みを返すと、

くるりと巫女装束の裾をひるがえし、社の中に戻っていった。

「巫女さまー、もう掃除終わっていいの?」

終わっていいからこっちに来て、と手招きをされた。何の用だろう。



    *    *    *
なんかグダグダです。中途半端に長いです
巫女さまは『悪ノ娘』のエルルカがモデルのつもり
な ん か 違 う け ど 笑
はい、知らない人、ごめんなさい…

宿題おわったぁぁぁ!