二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【少年陰陽師】虚空を駆ける星の如く ( No.31 )
日時: 2012/01/09 11:29
名前: 光彩 (ID: 2Qew4i4z)

【第十七話】(追憶編つづき)

社の中で、巫女から手渡されたのは、漆黒の衣だった。まるで闇色。

「なにこれ」

きょとんとしている空に、その服じゃ動きにくいでしょ、

と巫女は空が着ている巫女装束を指差した。

ああ確かに。長い裾は足にまとわりつき、動きにくいことこの上ない。

「ていうか、どうしてこんなの持ってるんですか」

「昔いろいろあったのよ」

そう答えた巫女の瞳が、少しだけ憂いに彩られているのは気のせいだろうか。

まあいっか。巫女のことだ。どこか人間離れした雰囲気の彼女、

知られざる過去みたいな物があってもおかしくない。

「着てみていい?」

あんたに着せるために渡したんでしょうが、という巫女の声を

聞き流し、空は衣を抱えて奥の自室に駆け込んだ。早速着てみよう。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

「あら、なかなか似合うじゃない」

「ありがと」

手渡された衣は、少し大きめだった。手が半分くらい隠れている。

だが膝上の丈で動きやすそうだ。裾や袖の縁取りは

紫を基調とした落ち着いたものだ。

はめた手甲は、やはり黒。はめる必要性があるのかどうかは

分からないが、とりあえずあるものは使うことにする。

腰に挿している刀は、ここに伝わる神剣だそうだ。幻月とかいったっけ。

これまた帯刀する必要性があるのだろうかという空の問いに

巫女は、世の中なにがあるか分からないものよ、笑って返した。

そして懐から何かを取り出す。繊細な銀の細い鎖。

その先には七色に煌く透き通った石。何かの欠片のようだ。これは…首飾り?

「あげるわ。本当はあなたの物になるはずだったから……」

「……?」

「あー、いまのは忘れて。さっさと昴探してきなさいよ」

「……うん」



____あれは一体……?

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

「空さん?そーらーさーん」

「はひゃっ?!」

「あの、どうかなさいましたか?さっきから無言で…」

「あ、ごめん。ちょっと考え事してて」

いつのまにかぼーっとしていたらしい。あぁ私としたことが。

いろいろ話し込んでいるうちに、あっという間に夕刻になっていた。




七色に煌く首飾り。今も彼女の胸元で揺れている。


    *    *    *
終わり方が分 か ら な い
新学期始まる…orz
さよなら冬休み。
首飾りは服の下に隠している感じで。