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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【少年陰陽師】虚空を駆ける星の如く ( No.35 )
- 日時: 2012/01/18 21:21
- 名前: 光彩 (ID: vOB0vHGS)
【第二十一話】
ざわめき。喧騒。話し声。笑い声。足音。陽の光。
ここは市。三条の市だ。にぎやかな雰囲気が辺りを包んでいる。
「うわぁー、人がいっぱい……」
きょろきょろと周りを見渡す少女。その姿は徒人には見えない。
結局、しばらく安倍邸に居候することになった彼女、
ただ今、『迷子』という状況に陥っていた。
市に来たのはいいが、人ごみに飲まれて、同行していた彰子や天一とはぐれてしまったのだ……
といえば聞こえはいいが、実際ただの哀れな迷子である。はやく合流しなくては。
「うぅ、十五にもなって情けない……」
彼女の小さな呟きは、周りの喧騒に掻き消されて、誰かの耳に届く事は無かった。
冷たい風が頬をなでる。ふっと空は天を仰いだ。
「………あ」
そうか。地上が駄目なら空から探せばいいじゃないか。
こんな単純なことに気づかないなんて、全くつくづく自分は馬鹿者である。
ふわりと浮かび上がると、高度を上げて上空から市を見下ろした。
通りを歩く人が小さく見えて、なんだか不思議な気分になる。
幼い頃、空を飛ぶのが夢だった。忘れかけてたその夢は、ある日唐突に叶ったけれど。
何故だろう。日増しに、自分の中の未知なる力が目覚めていくような、
そんな感じがするのだ。……おっと、いたいた。
探していた人影が見つかったので、空はくるりと旋回した、刹那。
「______来い」
* * *
迷子です。空ちゃん迷子!
でも市は結構広そうだから案外迷うかも……?
未知なる力って何なんだよと書いてて思う
いかんせん語彙がない
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