二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【少年陰陽師】虚空を駆ける星の如く ( No.36 )
日時: 2012/01/20 18:55
名前: 光彩 (ID: vOB0vHGS)

【第二十二話】

心臓が、凍りつく。

低く、冷淡な響きに、知らず知らずのうちに足がすくんでしまう。

どうして。何故ここに。言いたいことがたくさんあるのに、

言葉が口につっかえて、上手に口が動かない。

忘れるはずが無い。変わってしまった、でも変わらないその声は_____。

「兄、さん」

そう発した声がわずかに震えているのが自分でも分かった。

ゆっくりと、兄の方に向き直る。

自分のそれとよく似た群青の瞳が静かに自分を射抜く。

「何なの、いきなり」

自分の前にたたずむ人影に問いかける。感情のこもらない瞳からは

何も読み取ることが出来なかった。

「来い、といっている」

「どう、して」

その問いを無視して彼はすっと空の胸元を指差した。

自分の胸元で揺れている石を、空は衣の上からぎゅっと握り締めた。掌が汗ばんでくる。

「我が主の御為に、貴様が必要だ」

「…………?」

____私が必要?どういうこと。『我が主』といったか。

兄さんは、そいつの……?

大きく息を吸い込む。口の中がからからに乾いて、空はごくりと唾を飲みこんだ。

「我が主って、誰。兄さんまさかその人の____」

続きが、言えない。言いたくない。

辿り着いた結論。 単純で、明快で。少しだけ残酷で、呆気ないほど簡単な『答え』。











____傀儡。そんな単語が脳裏をよぎった。





    *    *    *
「くぐつ」じゃ変換できなかったので
「かいらい」と入れたらでた\(^o^)/読み方はどっちでもいいやw
参照が200に届きました。読者の皆様、本当に本当にありがとうございます。
何話まで続くのかなぁ……自分でも分からないw
こんな感じでぐだぐだと進みますが、これからもよろしくお願いします。