二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【少年陰陽師】虚空を駆ける星の如く ( No.38 )
日時: 2012/01/23 18:03
名前: 光彩 (ID: vOB0vHGS)

【第二十四話】

静けさだけが残る境内。

その中を、一陣の風が駆け抜けた。瞬時に、辺りが清浄な気に包まれる。

「___全く、息が詰まるわ」

この風の主。それはここの神社の、巫女。

二十歳に届いたくらいの風貌は、どこか凛とした雰囲気を醸し出している。

だが、少しだけ気だるそうな彼女の瞳に宿るのは、憂い。

「一人ってのも、退屈なものね」

昴が蒸発してから、一ヶ月。

空が探しに出て、十日ほど。

____あの子達は、大丈夫だろうか。

ふと胸元に手を当てる。思い出すのは、空に託した石の欠片。

かの戦いで砕け散ったそれは、もう何の力も持たない欠片となってしまったが。

『虹水晶』___。我ら一族に伝わる、秘宝……。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

静寂に押しつぶされそうになって、巫女は大きく息を吐き出した。

『巫女さまー、今日のご飯何ー?』

『……お前食うことしか能が無いよな』

『なにをーっ!』

小さいながらも、騒がしい毎日。なんだかんだで、いなくなると淋しいものだ。

外に出て、夜空を仰ぐ。あの日から、もう十五年も経つのか。

あの忌々しい出来事。全てを変えた、あの______。

しばし追想に浸った、刹那。

舞い降りた影。





「_____久しいな、冴月」

「……影、羅」



 *    *    *

巫女さまの本名は『冴月』でしたー。
読みは『さつき』で。この二人の関係や、いかに……
ていうか、こいつら何者よ……

脳内BGMは初音ミクの『影踏みエトランゼ』(ry
時間設定は、前話の数時間後です。
で、やっぱり短い。

しょっちゅう更新で短いのと、
ときたま更新で長いのと、どっちがいいんだろ。

石の欠片については、十七話を参照するといいような。