二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【少年陰陽師】虚空を駆ける星の如く ( No.39 )
- 日時: 2012/01/28 18:10
- 名前: 光彩 (ID: vOB0vHGS)
【第二十五話】
無事に買い物も済ませ、迷子の空も見つかった。
ごく普通の平和な夜……なのだが、先ほどから空の様子がおかしい。
「……空さん、大丈夫ですか?」
「彰子ちゃんっ……大丈夫じゃ無いよぉ……」
先ほどから朽木のように倒れこんでいる少女が、弱々しく返した。
「あの、何かあったんですか……?」
「何でもない……」
絶対に何かあったはずだが、彼女は『何でもない』の一点張りだ。
うつ伏せになって撃沈している空を横目に、彰子は
傍らに隠形している神将に目を向けた。その視線を感じて
二つの影が顕現する。十二神将、天一と玄武だ。
「彰子姫、こういうのは放って置くのが得策だと我は思うぞ」
そう言った玄武の目が、いささか呆れたような色を宿している。
「ねえ天一、私はどうすればいいのかしら」
「そうですね……、やはりそっとしておくのが一番かと……
朱雀、あなたはどう思う?」
天一の声を受けて、もう一人の神将が顕現した。天一の恋人、朱雀だ。
「そうだな……まぁ、まずは本人に聞いたほうがいいんじゃないのか」
当の本人、すなわち空は相変わらずばったりと倒れこんでいる。
はたから見ると、まるで眠っているかのようだ。否、これは完璧に眠っている。
その空が、突然むっくりと起き上がった。袖で目元を拭う。
「なんか人増えてる……」
正確には神将なのだが、見た目が見た目なので人というのも無理は無い。
それはさておき。
「空さん、昼間に一体何があったんですか?」
問いかける彰子。真剣な声音に負けたのか、
空は参ったというように溜め息を吐いた。
ためらうような、困ったような表情を浮かべると、
空は重い口をゆるゆると開いた。
「今日、兄さんに会ったんだけどね」
そう言った後、彼女はふつりと口を閉ざしてしまった。
流れる沈黙。空気がどことなく重い。
そんな中、空は再び口を開いた。
「……兄さん、記憶喪失みたいなの。おまけに、我が主がどうとか
言ってて……。何があったのかは、よく分からないけど」
どこか切なげな瞳。鮮やかな群青の瞳は、彼女の感情をよく映し出す。
そして空は静かに立ち上がった。そっと妻戸に手をかける。
長居してごめんね、とだけ呟いて、一度だけこちらを顧みた空は、
そのまま彰子の部屋から立ち去った。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
答えを知って、認めた。
けれども。
理由を教えてくれる人は、
いない。
* * *
あーーーーーーっ!暗い!
絶対次は明るいの書くぞ……。
シリアスは苦手なんd(ry
というかそれ以前に文才が無いっていう。
「理由」とかいて「わけ」と読みたい中二病。
まー、実の兄が記憶喪失&悪の手先になったらショックだよなぁ……。
少年陰陽師最新刊『朝の雪と振りつもれ』二月一日発売!
読むぞぉぉぉ