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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【少年陰陽師】虚空を駆ける星の如く ( No.8 )
- 日時: 2011/12/25 10:07
- 名前: 光彩 (ID: 2Qew4i4z)
【第三話】
「はくぎんの、いぎょう?」
昌浩が、間の抜けた声を出した。
何でも、今日彰子と天一が市に出かけた際に出くわしたそうなのだ。ん、ということは。
「あああああ彰子、もしかしてもしかすると今日市に出かけて……」
「ええ、出かけたわよ。あ、そうそう、干し杏買ってきたのよ。
いつもより安かったからたくさんかってきちゃった」
「ええええええ、ちょっと待って、大丈夫か、襲われたりなんかされてない?!」
全く、すごい取り乱しようだ。動揺しまくっている昌浩の声を聞き流し、物の怪は丸くなった。
例の白銀の髪の異形とやらは特になにもせず何処かへいってしまったと天一から聞いている。
特に悪意や敵意を感じたわけでもないようなので、気にすることもないだろう。
物の怪がうとうとし始めたその時、昌浩がやおら立ち上がった。
「もっくん!行くぞ!」
「何処にだ。あともっくん言うな」
胡乱げな物の怪をよそに、昌浩はこう続けた。
「調伏っ!!」
そういうや否や、昌浩は物の怪をむんずと引っ掴み、表に飛び出していった。
一部始終を呆然と眺めていた彰子はしばらくして呟いた。
「これって清明様に報告したほうがいいのかしら……」
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