二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D・Gray-man〜金の鏡と銀の死神と〜 ( No.1 )
日時: 2011/12/23 13:23
名前: 月那 ◆7/bnMvF7u2 (ID: IsQerC0t)
参照: http://ameblo.jp/allen-riyunkio-exorcist/

プロローグ

「それじゃあ、いってきます」
生きて帰って来れるか分からない旅の旅立ちのとき、あたしはお姉ちゃんに別れを告げた。
「・・・・・・気をつけてね」
心配そうにお姉ちゃんは言う。
「・・・・・・大丈夫だよ。樹もいるし」
「そうね。樹、レンをしっかり守るのよ」
「はい、咲夜様。咲夜様の代わりに僕が命を懸けて守ります」
樹は誓いの言葉を言うように力強く言う。
「それに・・・・・・この護身刀もあるしね」
あたしは腰に差している、我が家の宝刀———「天吹」を握る。
「・・・・・・ごめんね、レンまで巻き込んでしまって。私が・・・・・・私がいけないのにっ!」
自分を責めるように強くお姉ちゃんは言った。あたしそんなお姉ちゃんを優しく抱きしめて、
「何言ってるの、お姉ちゃん。あたしもあの時止められなかった・・・・・・。だから、あたしにも責任があるの」
「でも、でも・・・・・・」
お姉ちゃんの頬に涙が一筋こぼれ落ちる。
「咲夜様、レン様。そろそろお時間です」
「そうね」
そう言ってあたしは出発しようと樹の側へと向かう。
「待って」
お姉ちゃんがあたしの肩を掴み、呼び戻す。
「これを」
そう言ってあたしの手の平にそっと置いたのは、
「これ、お姉ちゃんの結い紐じゃない!」
お姉ちゃんがいつも髪を結ぶために使っている朱色の紐だった。
「お守り。レンが無事に帰って来られるように」
お姉ちゃんはおさげに結んでいた髪を片方解いたまま、笑顔で言う。
「ありがとう、お姉ちゃん」
あたしは紐を握りしめ、ふたたび樹のもとへ駆け寄る。
「行ってくるね。必ず、必ず帰って来るから」
そう言ってあたしと樹は


————————眩しいほど金色に光り輝く鏡の中へと飛び出していった。


 〆 12月22日