二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第三章 調べごと ( No.7 )
- 日時: 2011/12/24 18:32
- 名前: るい (ID: jIh6lVAe)
神「剣城っ。」
天「わっ、信介パス、パスッ。」
グラウンドにひびく、サッカー部の部員たちの声。ほかの生徒たちは、もうとっくに帰っていた。練習試合も近いということで、午後七時まで練習をすることになったのだ。
それを木陰で見ている人物。じっとしているが、きっとなにかおもしろそうなことがあれば行動に出るつもりであろう。
神「天馬、決めろっ!」
めずらしくも、ゴールまえまで持ちこんだ天馬に、指示を出す神童。天馬もこくりとうなずいた。
天「『マッハウィンド』!!」
天馬の『マッハウィンド』。すごいスピードで、ボールをゴールに蹴った。
しかし、しばらくの間、あまりシュートを打たなかったせいか、だんだんと角度がズレていく。このままいくと、あの木陰で見ていた人物にぶつかりそうだ。
それに気づいた部員一同がサッと青ざめる。
全(剣城を除く)「あぶない!」
?「あー、心配しないで。」
人物はそう言って、軽々とボールを蹴り返し、そのボールは神童の足元に落ちた。
信「すっごぉーい! 天馬の『マッハウィンド』を軽々と蹴り返すなんて!」
倉間(以下「倉」)「ああ、あるていどのキック力はあるんじゃないか?」
信介と倉間が言ったあと、人物はケラケラと笑い出した。
?「アハハハハハハハ、ないないないないない!」
ケラケラとお腹をかかえながら出てきたのはガイだった。
ガ「ったく、ほんっと天馬はあいかわらず……いや、なんでもない。」
神「ガイだったのか……。」
天「ガイ! ……先輩。」
天馬がガイに「先輩」ということばを聞いたとたん、一瞬ガイの顔がくもった。
が、すぐおどけた明るい顔になると、
ガ「プッ。おいおい、べつにいいよ、『先輩』なんてつけなくても。いちおう神童は……まあ、同学年だしな。いちおうオレと天馬と神童と霧野は知りあいじゃーん。ま、天馬とはたった二ヶ月間くらいのつきあいだったけど。」
ガイの最後のことばは、天馬たちには聞こえないように言った。
霧野(以下「霧」)「ん? あいつ、どこかで……。」
ガ「ズゴッ。おまえもこの段階からはじまるのか……;; だから、霧野、サクラはおぼえてるだろ? そいつはオレなんだって。ま、理由は分かんないでいいけど。」
霧「あーっ、サ、サクラなのか!?」
ガ「ズゴッ、ズゴッ。そのパターンが三度目で、かなりショック……。まあ、かまわないけど。」
倉「おまえら、みんな知りあいか? なんかオレらだけ知らないみたいじゃないか。」
ガ「まあ気にしないでくださいって。あ、んなことより、練習に集中したら? 鬼道監督がにらむぜ。ま、がんばってくれよな、天馬、神童!! 革命を成功させてくれよな!」
ガイはそう言って、バッグを片手に、校門に走り去っていった。
三「な、なんだったんだ、いまの……。」
天(あれ? そういえば、まだオレ、ガイに革命のこと、話してないはずなのに……。なんで知ってるんだ?)
————十分後————
鬼道(以下「鬼」)「全員、集まれ!」
全「はいっ。」
鬼道の声で、みんなが集まった。
鬼「きょうの練習はこれまでだ。」
神「えっ、でも、まだ七時じゃありませんよ?」
学校の校舎についている時計の長針は「5」、短針は「6」と「7」の間にある。
鬼「少し調べなければならないことがあってな。」
神「調べなければならないこと?」
鬼道は神童の問いに、首をたてにふると、解散宣言をした。